暁 〜小説投稿サイト〜
奇妙な暗殺教室
片鱗の時間
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話



ジリジリと距離を詰めながら策を考え、両者の距離が5メートルまで近づいたその時



「先手必勝だぜ!」




丈一郎が仕掛けた。




「動いた……先に仕掛けたのはジョジョだ!」






ギャラリーとなった生徒が戦いを見守る中、丈一郎は一撃一撃を鋭く無駄のない動きで的確に急所を突く。素人が相手ならならここで勝負は決する。だが、相手は超一流の戦闘術を持ったプロ!そう簡単にはやられない。




しかも日本が誇る自衛隊の中でも選りすぐりの天才達でもそのレベルの高さゆえ入団することすら困難な第一空挺団 その天才達の中でもずば抜けた結果を出してきた烏間惟臣は普通なら気付かない僅かな違和感を見逃さなかった。




(素人相手ならこの勝負はとっくに終わっている。それ程まで彼の力は相当な物だが、どこか動きがぎこちない……故にそれが弱点だ!)



烏間先生は一瞬の隙を突き両腕で丈一郎の腕を両腕で押さえつける。なまじ攻撃を払い躱せばなんらかの反撃が致命傷となり兼ねないと本能で感じたからあえて丈一郎の突きを止めたのだ。しかし、丈一郎はそれすらも読み次の手を既に打っていた。




「コォォォォォ……」




独特の呼吸音と共に丈一郎の右腕が『バチバチ』とまるでスタンガンの様な音が鳴り始め予備動作なしの突きが烏間先生の顔面目掛けて突き上げられた。




(今まで以上にスムーズな動き……まさかッ!)




烏間はこの時…今まで感じていた違和感の正体がなんなのかを突き止めた。




(彼の利き手は右手じゃあない!左手なんだ!)




そう丈一郎の利き手は右手ではなく左手…つまり左利きなのだ!
しかし、丈一郎はここ数日の体育の授業で基礎的なナイフの振り方を習ったがその時は一度も左手で振っていない。故に誰もが彼の利き手は右手だと思っていた。しかし、現実はその逆の左手……つまり丈一郎は既にこの状況を想定して動いていたのだ。相手に自分は右利きだと思い込ませる為にネタを何日も前から仕込んでいたのだ。




(しかも仕込みはこれだけじゃあねーぜ!)




丈一郎が突き上げた左手首から対先生ナイフが飛び出した。には事前に仕込んだ対先生ナイフ…前に突き出した反動で前に飛び出す仕掛けになっており相手とのリーチを5センチ程縮める事が出来る。
ただが5pと思うかもしれないが…されど5センチ。強者同士の戦いではこの5pの差は非常に遠い。丈一郎はその遠い5pを戦略でカバーしたのだ。




(これで届く…当たれぇぇぇぇ!)




誰もが丈一郎の勝ちだと疑わなかった。これで決まると思ったその時!

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ