冬はやっぱりおでんだね。
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蒻を入れて弱火で煮込む。気を付けなければいけないのは絶対に沸騰させない事。じっくりコトコト煮込んでやるのが美味しさの秘訣だ。大根が柔らかくなっていい感じになってきたら、一旦火を止めてウィンナーと厚揚げ、がんもを入れる。おでんだけでなく煮物ってぇのは、冷めていく時に味が染み込むからな。置いておけるなら5〜6時間、デキレバ半日程は置いておきたい。
そして仕上げる20分前、もう一度火にかけて温め始めたら、ちくわやさつま揚げ等の練り物と、巾着をを投入して煮込む。練り物を入れてからは蓋をしてはいけない。練り物が膨張してしまう。……特に、はんぺんの膨張率はビビる。こうした手間暇をかけて提督特製おでんは完成するのだ。
『いただきま〜す!』
幹部達が一斉に挨拶をして、ワイワイと宴が始まる。提督も金剛の隣にどっかりと腰掛け、熱燗片手におでんをつつく。提督の皿に盛り付けられているのは、大根、じゃがいも、ウィンナー、がんも、さつま揚げだ。
「まずはがんも、と」
たっぷりと汁を吸ったがんもにかぶりつくと、じゅわっと熱々の汁が溢れ出す。
「あつつつつ……」
熱がりながらも一度、二度と咀嚼すると、出汁の旨味とがんもの味が合わさって幸せが口に広がる。大根もたっぷりと汁を吸って、ホロホロと口の中で崩れる。ウィンナーは皮がパリッと中から肉汁と出汁のミックスジュースの洪水だ。さつま揚げもふわふわでありながらしっかりとした歯応え。
「さて、お楽しみのじゃがいもだ」
実はおでんの中で一・二を争う程じゃがいもが好きだったりする。つゆの染み込んだホクホクしっとりとしたじゃがいもは、そのまま食べても美味いが辛子をベッタリと付けて、大きく箸で割って口に放り込む。熱々ホクホクのじゃがいもに、旨味たっぷりの出汁、そこに辛子がつーんと鼻に抜けていく。そこに熱燗をグッ!と流し込む。
「かぁ〜っ!たまらんなぁこれは!」
「随分美味しそうですね、darling」
見るとジト目の金剛が此方を睨んでいる。
「どした?随分と不機嫌そうだが」
「そうです、私怒ってマス」
はて?何か怒らせるような事をしただろうか?
「何か怒らせるような事をしたっけか?」
「当たり前デース!なんで私よりも加賀と赤城の回数の方が多いんデスか!」
回数……あぁ、あれか。
「仕方ねぇだろ、お前が気絶してんのに俺に襲えってか?」
金剛が回数が少ないのは、俺もハッスルし過ぎて途中で金剛が気絶してしまうからだ。流石に気絶している相手を襲うような趣味はない。
「なっ、ななな……何を大声で言ってマスか!?」
「おめぇが始めたんだろうがこの色狂い戦艦!」
「……二人とも、仲が良いのは宜しいけれど、
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