オトコ持ちのから騒ぎ!?・その2
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「さてさて、お次はわらび餅を作ろうか」
「でもdarling、わらび餅って蕨粉から作って高いんじゃ……」
「そりゃ本蕨粉使えば高いけどな。今日びそんな貴重なモン使ってるのは老舗の料亭とか、そういう高級店だけだっつの」
実際、わらび餅とはその名の通り、山菜の蕨(わらび)の地下茎からでんぷん質を取り出し、それを餅のような状態に加工した和菓子である。しかし蕨から取れるでんぷん質は限り無く少なく、10kgの蕨の地下茎から70gしか取れない。その上、加工に2週間以上かかるという大変に手間のかかる代物なのだ。そこで和菓子職人達は知恵を絞り、葛粉を代用にする事を発見した。……え、それでは葛餅では無いのかって?加工の仕方が違うのでいいんです。
「しかし葛粉も高いからな。今回は更にお手軽に、片栗粉でわらび餅を作る」
「蕨粉の代用で葛粉を使うけどそれも、高いから片栗粉で代用……代用の代用ってそれ既に別の物じゃあ…」
「金剛」
提督が金剛の両肩をガシッと掴む。
「美味けりゃいいんだよ」
「アッハイ、ソウデスネ……」
そうして金剛は深く考えるのを止め、調理に集中する事にした。
《片栗粉で作る!お手軽わらび餅》
・片栗粉:50g
・砂糖:30g
・水:250cc
・きな粉:適量
※みつの材料
・きび砂糖(または黒糖):60g
・水:50cc
「まず先に味付け用の『みつ』を作るぞ。鍋にきび砂糖とそれよりちょっと少ない水を加えて火にかける」
「水の方が少ないのは何故デスか?」
「粘り気と濃度の問題だろうな、多分。和菓子のプロでもないから知らん」
火にかけて温まって来ると、砂糖の塊が溶けてトロトロになってきた。
「焦げ付かないように混ぜつつ、沸かさないように火加減を調整しろよ?焦がすと苦くて食えたモンじゃないからな」
その苦々しい顔を見るに、過去に失敗した事があるらしい。提督でも失敗するのかと少し可笑しくなった金剛がクスリと笑う。
「なんだ?俺の顔に何か付いてるか?」
「いえ、別に何でもないヨ?砂糖は溶けたけど、次はどうするの?」
「みつは粗熱取ったら完成だ。お次はわらび餅本体を作る」
そう言うと提督は鍋に片栗粉、砂糖、水を入れてよくかき混ぜ、それから火にかけた。
「火加減は中火から弱火の間、絶対に焦がさないように絶えず木べらでかき混ぜ続けろ」
しばらくかき混ぜ続けていると、水が僅かに粘りを帯びてきて、それはやがて透明なゲル状の塊になっていく。
「よしよし、いい感じだ。更にかき混ぜていけば1つの塊になってくるから、固まってきてからも1分位混ぜて水分を飛ばせ」
鍋の中の様子を確認した
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ