強き竜
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ごいですウェンディさん!!」
あんな力を秘めていたなんて知らなかったから、その姿を見てどんどん興奮が増していく。シリル先輩やレオンさんもすごいし、ウェンディさんもシェリアさんも強い。本当にこんな人たちを間近で見れて毎日楽しいと感じます!!
「うっ!!」
しかし、圧倒していたはずの彼女が突然膝を付きます。その理由が一瞬わかりませんでしたが、彼女が押さえている部位を見てすぐに心当たりがあることに気が付きました。
「もしかしてさっきの・・・」
大鎌から手を離し、拳を腹部へと突き付けてきたあの一撃。その時のダメージが、まだ残っているんだ。
「ぐふっ・・・」
しかし、対する彼にも大きなダメージが与えられていました。口から咳き込む度に赤いものが溢れていることから、相当のダメージが与えられていることが想像できます。
「ウェンディさん!!」
「大丈夫!!」
両者とも大きな傷を負っている。そんな中ただ見ているだけでいいのかわからない。でも割り込んでいく勇気もない。だから判断を仰ごうとウェンディさんに声をかけますが、彼女は痛む体にムチを打ち立ち上がります。
「これで、決めるから」
息が上がっているにも関わらず、目は一切輝きを失っていない。その凛々しさに、私は見惚れてしまいます。
「次はどう来る?」
その凛々しい竜のターゲットは、攻めに出ることができずに凌ぐことを最優先に考えているらしく、少女に全神経を集中させています。
シュパッ
「また消え・・・」
彼女の動きを全て見逃さないようにと注意していたはずなのに、 またしても姿を見失った彼はすぐさま真後ろを向き直ります。
「こっち・・・じゃない」
ありとあらゆる戦法を学んでいると言っていた彼は後ろから来るものと読んで振り向いたようですが、そこには誰もいなくすぐさま体を向き直ります。
右左と順番に視線を向けたイネスはそのどこにもウェンディさんがいなかったため、大鎌を握りそれを上空へと突き上げました。
「残るは・・・ここだろ?」
素早い動きで居場所を特定したかに思えたイネスさん。しかし、残された最後の場所である上からの攻撃も空振りに終わってしまう。
「・・・え?」
目をパチクリとさせて少女の姿がどこにもないことに驚きを隠せないでいる大男。そんな彼の後ろに、小さな影が現れたのを私は見逃しませんでした。
「時間差です!!」
「!!」
単純に攻めるのではなく、別のパターンを交えての攻撃を見せてきたウェンディさん。彼女はたぶん、彼が即座に対応してくるのを予想していたんだ。だからあえてタイミングをずらして姿を現したんだ。
「ハァッ!!」
「ガッ!!」
上に大鎌を振り上げていたイネスはもう
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