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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
強き竜
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サクラside

「すごい魔力・・・」

目の前に立つ変貌した少女の姿に目を疑う。いつものおっとりとした目はキリッと鋭く開き、彼女から発せられる魔力で肌がビリビリと痺れる。

「ほう。まだそんな奥の手が」

それを見て一番驚いているのは、イネスって人かもしれない。さっきまで表情一つ変えずに戦っていた彼は、あまりのウェンディさんの変貌に目が大きく見開いていた。

「サクラ、下がって」
「は!!はい!!」

さっきまでのウェンディさんと全然迫力が違ったから、呆然としていたらいつもよりも1トーン低い声でそう言われ、思わずビクッと身を震わせてから草むらの方へとかけていく。

「それがお前の本気か?」
「そうです。これであなたを倒します」

優しげな雰囲気だった彼女の面影はそこにはなく、ただただ敵を滅するため、小さき竜がそこにいるような錯覚に襲われます。

「確かに強くはなっているんだろうが、お前のスピードでは俺には勝てない」

そう言って大鎌でウェンディさんに斬りかかるイネス。しかし、彼の攻撃は空振りに終わります。その理由は、彼の目の前にいたはずの少女がいなくなっていたからです。

「消えた?いや・・・」

振り切った勢いを活かして体を反転させる。彼の読みは当たっており、視界からいなくなった少女は彼の後ろへと回り込んでいました。

「ハァッ!!」
「ぐっ」

風を纏った小さな拳が大男の腹部に突き刺さります。読み切っていたはずの攻撃を防げなかった彼は、自分の何分の一かというほど小さい竜からの攻撃だったのに、まるで戦車から放たれた砲撃のように飛ばされていきます。

「なっ・・・」

森の木々を幾本も薙ぎ倒してようやく止まったイネスは信じられないものを見るような目で自分が通ってきた道に目をやります。

バッ

「!?」

しかし、そんな余裕は微塵もなかった。大鎌を用いて立ち上がろうとした彼の前に突如として現れる小さき影。その正体は今しがた彼を殴り飛ばした天空の巫女でした。

「天竜の・・・翼撃!!」

敵に一切の猶予を与えることなく魔法を放つウェンディさん。イネスはそれを大きな武器を体の前に突き出して凌ぐので精一杯。

「天竜の・・・」

それでも凌いだからには反撃に転じたい彼を嘲笑うかのように後ろから覚えのある声が聞こえる。そちらを振り向こうとイネスは体を反転させようとするが、それよりも早く・・・

「咆哮!!」

ウェンディさんのブレスが敵の体へと突き刺さる。

「ぐああああああ!!」

今まで全く届かなかったはずの攻撃が次々に決まっていく。咆哮を受けた彼は地面を転がり、少女はまるで格の違いを見せつけるかのようにそれを見送っています。

「すごい!!す
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