提督と艦娘達の夏休み〜縁日デートは危険な香り編・4〜
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ぐるっと見る限り、高額な景品はどれも本物のようだ。しかしハズレに当たる景品は100円ショップでも買えそうな物ばかり。ハイリスクハイリターン、これは客も飛び付くだろう。
「おぅ、イカサマなんてちゃちな真似はしてねぇだろうな?」
「まさか。なんなら全部いっぺんに引っ張ってみてもいいですよ?ダンナ」
店員に促され、紐の束を一気に引く。全ての景品が持ち上がったのを見る限り、イカサマは無いようだ。大抵なら、束をまとめている紐が高額景品の紐、なんてのが定番なんだが……。
「扶桑と山城も何か狙ってるのか?」
「えぇ、あの簪が可愛いので欲しいなと……」
「20回もやったのに、全然取れないんです」
「お、おぅ……」
つまりは1万もスったのか、この屋台で。何とも可哀想な話だ。
「ねぇおじさん、僕がやってもいいかい?」
そう言い出したのは時雨。その手には自分の財布から出したのであろう5000円札が握られている。
「あぁいいよ、10回やるのかい?」
「うん、どうしても扶桑に簪を取ってあげたいからね」
ん〜……と唸りながら引く紐を選ぶ時雨。何かこれイヤな予感するの俺だけかな。
「よし、これだ!」
時雨が紐を引くと、扶桑の欲しがっていた簪が持ち上がった。
「おぉ〜やるねぇお嬢ちゃん。まだやるかい?」
「もちろんさ」
そこからは何となく予想していた通り、時雨はネックレスや腕時計などの高額景品を次々と吊り上げ、トドメとばかりに最高額であろうPS4(ソフト付き)まで吊り上げた。店のオヤジも段々と青くなり、終いには放心状態になってしまっていた。……なんか、スマン。
〜白露型の宣戦布告!〜
その他色々ありながら、縁日会場の一番奥、神社の社殿に辿り着いた。
「折角ここまで来たんだ、ついでに拝んでくか?」
4人とも頷き、自分の財布からお賽銭を入れる。鈴を鳴らし、二礼、二拍。願いを念じて、一礼。
「……で、お前らは何を願ったんだ?」
「「「「秘密〜」」」」
口を揃えてそう言われてしまった。俺は当然、家内安全と皆の健康祈願。……商売繁盛と迷ったのは内緒だ。
「あいたっ!」
村雨がしゃがみこんだ。見ると、下駄の鼻緒が切れたらしい。
「しゃあねぇなぁ。ホレ、乗れ」
俺が背中を差し出すと、嬉々として背負われる村雨。それをジト目で睨んでくる時雨と夕立。しょうがないだろうに、事故なんだから。
「えへへー、早速お願い叶っちゃったぁ♪」
「はぁ?鼻緒が切れますように、なんてお願いしたのか?」
「そんな訳無いでしょ、もう!」
背中を軽くつねられるが、それ以上に当たっているモノの感触が幸せすぎて
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