提督と艦娘達の夏休み〜縁日デートは危険な香り編・4〜
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で、その姿でビールを飲むのはやめてもらいたい。
「いいじゃんかさぁ、身分証持ってれば艦娘だって証明できるからお酒も煙草も買えるしさぁ」
よっこいしょ、と言いながら俺の隣に腰掛ける加古。因みに隣に座っていた白露は、グリーンカレーがよっぽど辛かったのか、夕立と共に追加のラムネを買いに行っている。※村雨と時雨は難なく完食
「そりゃあそうだがよ。なんか見てるこっちがな……」
「またまたぁ、中坊の頃から呑兵衛だった人の発言とは思えないよ」
否定できない所がまた辛い。
「ところで、何を食べてるんだ?」
「あぁこれ?さっき見つけたケバブの屋台で買ったんだ〜」
加古はそう言いながら左手に持ったケバブサンドにワイルドにかぶりつくと、右手に持ったビールを流し込む。
「くぅ〜っ、美味い!」
頬に付いたチリソースを指で拭い、舐め取りながら加古が唸る。
ケバブってのは中東やインド、モンゴルに近いウイグルの辺りに伝わる、肉や魚を串に刺してローストした料理の総称だ。国ごとに微妙に発音が違うが、大体の調理法は一緒だ。日本ではインド料理のシークカバブがシシカバブーとして親しまれていたが、近年では味付け肉を上から順に串に刺して積み重ね、水平回転させながらロースターで焼くドネル・ケバブが市民権を得ている。
本場のドネルケバブは削いだ肉を皿に盛り付けても食べるようだが、日本では肉と何種類かの野菜をパン等に挟み、ソースをかけて食べるケバブサンドが一般的だ。ソースもチリソースやサルサソース、ヨーグルトやワカモレ等多種多様で飽きが来ない。そしてそのどれもが酒に合うこと請け合いだ。
「提督、ただいまー」
「ようやく舌がヒリヒリしなくなったっぽい……」
追加のラムネを飲みながら、白露と夕立が戻ってきた。
「さて、そろそろいくか」
俺が立ち上がると、怨めしそうな目で加古がこちらを見ている。俺一人なら連れてってもいいが、流石に今日はご遠慮願おう。
「加古、すまんがーー…」
「解ってるよ提督、今日は白露達に構ってあげて」
「悪いな、また今度」
短く言葉を交わし、歩を進める。加古の肩が小刻みに震えていたのは、気のせいだろうか。
〜やめて!屋台のおじさんのライフポイントはもう0よ!〜
「あら、提督」
「なんで居るんですか……」
加古達と別れてしばらく、俺達は扶桑と山城の2人に出くわした。2人の立っていたのは紐くじの屋台。紐の先に景品がくくりつけてあり、引いて持ち上がった景品がGET出来る、って寸法だ。ハズレくじが存在しないため、1回500円とお高目だ。
「あ、PS4がある!」
「スゴい!こっちはネックレスとかあるよ!」
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