提督と艦娘達の夏休み〜縁日デートは危険な香り編・1〜
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本人曰く、
『鎮守府から一緒だと、デートって言うより提督が引率者みたいじゃない?』
だそうだ。中学生か。
街の中程にある神社から、祭り囃子と提灯の仄かな届いてくる。少し駆け足だが問題ない。……さっきからこっちに向かってくる人々に避けられているような気がしないでも無いが、気にしないでおこう。
「すまん、待たせたか?」
朱塗りの鳥居に寄り掛かるようにして待っていた村雨に声を掛けた。
「ううん、予定より30分も早いよ提督。焦りすぎだってw 」
少し苦笑いが混じったような気がしないでも無いが、まぁそれは置いておこう。それよりも村雨に聞きたい事が出来た。
「なぁ村雨、縁日デートだって言ってたよな?」
「……うん、言ったわよ?」
「何で女子が1人から4人に増えてんだ?」
俺の視線の先には、
「提督がいっちばんおっそーい!」
「女の子を待たせるのは失礼っぽい!」
「まぁまぁ、僕たちが早く来すぎたんだよ」
彼女の姉妹艦である白露・時雨・夕立が、それぞれ浴衣をバッチリ着込んで待ち構えていた。
「いや〜……出る時に見つかっちゃって」
苦笑いを浮かべたままの村雨の両肩を、時雨と夕立が片方ずつ掴む。
「抜け駆けは許さないよ?」ギリギリ
おい夕立、っぽいはどうしたぽいは。そして眼のハイライトさんが息してない。
「そうだよ……それに村雨はまだ錬度87だろ?ケッコンなんて当分先の話だよ、すっこんでろよ」ギリギリ
そして時雨よ、いつもの丁寧な口調はどうした。そしてこっちもハイライトさんが息してない。
「あら、提督が言い出しっぺのデートなのよ?お邪魔虫は今からでも帰ったら?」
村雨よ、お前もか。村雨の眼からもハイライトが消え失せて、3人の周りにはどす黒いオーラのような物が見える(気がする)んだが。どうすんだよコレ、こんな美少女3人に好意を向けられるなんて願ったり叶ったりだが、全員ヤンデレは勘弁願いたい。
「あーもう、提督さんが絡むといっつもこうなんだから……」
白露は至極面倒くさそうに、溜め息を吐いている。え、これ日常茶飯事なの?
「ど、どうすりゃいい?」
「あ〜……提督さんがケンカは止めろって言ったら止めるんじゃない?皆提督さん大好きだし」
「そ、そうか…。おいお前ら、ケンカするなら俺はこのまま帰るぞ?」
勿論帰るなんてのは冗談なのだが、3人に立ち込めていたどす黒いオーラは瞬時に引っ込み、
「ご、ごめんね提督。もうケンカしないから帰らないで〜?」
「もうケンカしないっぽい〜!仲良くするっぽい〜!」
「僕たちもはしゃぎすぎたんだ、許してくれるかい?」
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