1部
まだ始まってもいない章
俺は全知全能.1
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「ん。・・・」
この物語の主人公である俺、榮倉翔也(エイクラショウヤ)は母がフライパンとお玉で奏でるメロディーによって夢から引き戻された。
俺は全国に5世帯以下しかいないとされている、とても珍しい苗字を持っているただの高校生だ。
重い体を無理矢理動かしてベットから出る。
身支度を整えて階段を降りると、親父が木綿豆腐をバーナーで炙っている匂いがする。
俺の実家は年中無休の豆腐屋な為、滅多な事が無い限り毎朝豆腐を作っている。
因みにさっきの木綿豆腐は焼き豆腐になるのだが、麻婆豆腐に焼き豆腐を使うととても美味い。
と、こんな話は置いといてさっさと朝食を済ませ、学校へ向かう。家がある地域は田舎な為、進学のために比較的都会の高校を受験した。その高校は遠い。故に電車とバスを乗り継いでいくのだが、それに2時間近くかかる為中学の時に比べて早く起きなければいけない訳で・・・何が言いたいのかというと、めんどくさい。
まあ、とにかくかれこれ2時間ぐらいかけて高校に着く。
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