ー 平和な日常 ー
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トされるが、それも完全に、というわけではない。 特に温度は遮断するわけにはいかない。 とりわけ、痛みに近しい感覚を味わうこととなる炎系の攻撃ははもっとも食らいたくない攻撃の1つとしてランクインしている。
というわけで熱い液体を頭から被れば、火傷こそしないものの熱いし、びっくりする。 一通り慌てたシィは、ゼェハァと荒い呼吸を繰り返し、
「…………な、なぜ私に」
「天罰だろ」
「理不尽過ぎる!」
ユーリの冷たい切り返しに怒りの声を上げるが、ユイをしっかり抑えていなかった自分にも責任の一端はあるためだけに、ついてなかったと諦める。 ストレージからタオルを取り出して拭くもべったりとした不快感は拭いきれない。
「アスナママー、お風呂かしてー」
「……ママって。 ちょっと待っててね」
ユーリの尻尾を狙おうとするユイを彼から引き剥がしつつ、再びシィの腕の中に捕える。 未だ諦めきれないユイの頭を撫でて、宥めつつ既に外は陽が暮れ始めてきていることに気がつき、シィの脳裏に名案と閃く。
「あ、そうだ。 ユイちゃんも一緒に入る?」
「うん! しぃとママと一緒に入る!」
「そうだね、じゃあ三人で入ろっか」
すっかりと意気投合した二人は、男子二人を残してアスナが準備をしているであろう浴室へと赴く。 長湯のし過ぎでバッタリと倒れてキリト達を慌てさせることとなるのはもうしばらく先である。
ーー◇ーー◇ーー
「うぅー……頭がずんがずんがするです」
「はぁ……」
そう呻く相棒を背負いながら、呆れを多分に含んだ息を吐き出す。
女性のお風呂は長いと聞いたことがあるが、まさか長湯のし過ぎで、のぼせるとは予想だにしていなかった。 浴室からようやく出てきた時には、ほとんど死に体でリビングのフローリングにばったりと倒れられた時は、流石に慌てざるを得なかった。 だが一応、寝間着に着替えるだけの余力と理性が残っていただけはまだマシと思えた。
「うへぇ……頭、痛い……」
「自業自得だ、馬鹿」
のぼせたことによる体調不良なのか、頭痛を訴えるシィを背負い直す。 さすがにキリトたちのホームに体調不良者三人を置いておくわけにもいかず、こうして動けないシィを家へと運んでいるわけだが、今は冬の初め。 時折、頬を撫でる風は冷たいが《裁縫スキル》完全習得者が編んでくれたセーターは店買いの物よりよほど防寒にも優れており、加えて背中越しに伝わる温もりのおかげで体感はそれほど寒くはない。
一応、シィにも上から厚手のコートを被せてあるので大丈夫なはずだが……
寒くはないだろうか? 自分よりも幾分か小さな体を背負いながら、あれこれと考えていると何かが頭に触れる感触。 ペタペタと触ってくるそれは寒さに震
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