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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
726部分:第百八話 死の世界の前でその四
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第百八話 死の世界の前でその四

「簡単にな」
「そう言えるのか」
「まさかと思うが俺の技は今まで出したので全部だとは思ってないな」
「そうだな。それはな」
「とっておきのがあるからな」
 そうだというのである。
「それはベルゼブブ、手前もだな」
「そうだ。私とて技はまだある」
 カナンもだというのだ。それはだ。
「貴様と同じくな」
「ドイツでの戦いの時にそんなことを言っていたな」
「覚えているか。それならだ」
「話が早いな。俺の技が勝つか」
「貴様の技が勝つかだな」
「そういえばまた思い出したことが出て来たぜ」
 デスマスクは余裕の笑みをそのままに話す。
「ベルゼブブ、手前は冥界を統率する立場でもあったな」
「俗にそう言う者もいるな」
 カナンもこう返す。
「欧州の者達だな」
「地獄の最高長官だったな」
「だが私は冥界には縁があろうと治める立場にはない」
 それは違うというのである。
「それはハーデス様及び冥闘士の者達だ」
「縁があるからそう言われるだけか」
「そういうことだ。だがその縁はだ」
「どうも俺と近いような」
「キャンサー、一つ言い忘れていたことがある」
「今度は何だ?」
 カナンのその言葉に対して問い返す。
「何があるっていうんだ?」
「貴様は我等以上に冥界の匂いが強い」
 そうだというのだ。
「死の香りに満ちている」
「それにかよ」
「そうだ。あの一連の積尸気の技を使うからか」
「その通りだ。俺はこの世とあの世も行き来できる」
「ふむ」
「そうした意味では同じだな」
 デスマスク自身が認める言葉だった。
「ベルゼブブ、それは手前もだな」
「如何にも。そしてだ」
「そして?」
「今から行くんだな」
 今度は彼から問い返したのだった。
「そうだな」
「そのつもりだ。ではキャンサー」
 カナンの目も鋭くなる。
「いいな」
「来るか」
「このカナン最大の技」
 カナンの全身に赤く禍々しい小宇宙が沸き起こる。それはデスマスクにもはっきりと見えている。そうしてそのうえでまた言うのだった。
「今ここで見せよう」
「来るか」
「キャンサーよ」
 デスマスクにまた言ってきた。
「冥界に行くがいい」
「面白い言葉だな」
 デスマスクもその言葉を受けて笑う。
「俺にとっちゃ冥界はな」
「全くどうとでもないようだな」
「それも見せてやりたくなってきたな」
「そうか。ならば余計にだ」
「行くぞ」
 そうしてだ。その放つ技は。
「何故このカナンが地獄の最高長官とされたかだ」
「そのこともここでわかるか」
「その通りだ」
 まさにそうだというのだ。
「それもだ」
「見てやるぜ。少し飽きてきたしな」
「飽きただと?」
「アー
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