第45話『絶望への誘い』
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ても当然だろう。簡潔に言えば、『人間が魔獣を従えさせるための魔法』だよ」
「そ、それがボクと一緒っていうのは…?」
「『首輪』といっても、所詮は魔法。魔力の造形さ。だったら、『首輪』の魔力とそれをかけた人物の魔力は等しい、そうだろう?」
『首輪』の話は理解できた。だが青年の問いに、ユヅキは素直に頷けない。
もし頷けば、それは自分が元凶だと認めることなのだから。
「僕は魔力が視れる、というのは言っただろ? だから、君のもウォルエナのも僕には見えたんだ。そして、両者も全く同じ質なんだよ。・・・あぁ言い忘れていたけど、人によって魔力の質は変わるものなんだよ。個性、といえるくらいにね。だからこそなんだろうけど、時間じゃ質は変わらない。魔力の質というのは、いわゆる『永久的な一点物』なんだ」
ここまで話を聞いたユヅキは、自分の疑いを否定しきれなくなった。
もし、この人がデタラメを言っているのならばそれでいいが、これが本当の話だとしたら、自分とウォルエナに何らかの主従関係があったということになるのだ。
けれども、ウォルエナと何か契約をした記憶はないし、身に覚えもない。
──強いて言って、魔獣との関連性は1つだけ有るのだが。
「・・・ここまで説明すれば君ならわかるよね? 僕が君のどこを疑っているのかを。別に僕は君をどうこうしようというつもりはない。けどね、街をこんなにさせられて黙っていられる訳もないんだよ」
彼は所々に怒りを込めて話していた。
その敵意は、全部自分に向けられたものだろうか。
「じゃあ、もう一度訊くよ」
ユヅキは、次の言葉でトドメを刺される気がした。
多分、彼は知っている。自分と魔獣の関係を。
ラグナにも、もちろん晴登にもそれは伝えてはいない。そして、日常生活でもそれに感付かれないよう振る舞った。
だけど……この人はわかっているんだ。
「君はこの惨状に心当たりはないかい? 白鬼よ」
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