725部分:第百八話 死の世界の前でその三
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第百八話 死の世界の前でその三
「それはどうなのだ?」
「当たり前だな」
これが今のカナンの問いへのデスマスクの返答だった。
「それはな。当たり前なんだよ」
「あまりそうは見えないがな」
「このデスマスクの技で死んだ奴は全員冥界巨蟹宮に顔が浮き出る」
言うのはこのことだった。
「そして俺が倒れるまで呻き声を出し続ける」
「巻き込まれた者達もか」
「それが俺の技の特徴だ」
「では背負っているというのだな」
「俺は目的の為なら誰でも倒せる」
デスマスクはまた言った。
「年寄りだろうが子供だろうがだ。女でもだ」
「巻き込んでもだな」
「そうさ。そしてその命を背負っている」
その言葉に偽りはなかった。何時になく真剣な口調でもある。
「それが俺のやり方だ。その為には何でも納得させる力が必要だ」
「貴様の正義もまたアテナの正義か」
「そして聖闘士の正義だ」
「成程な。やはり貴様は我等に組することはないか」
「馬鹿言え、アーレスの野郎もハーデスの野郎も糞くらえだ」
このことははっきりと言い切ったのだった。
「何があっても心から服従することはないからそれは安心しろ」
「その言葉を聞いてある意味安心した。こちらも気兼ねなく相手ができる」
「俺を倒すってのか」
「我等が倒した相手の命を背負うことはない」
カナンはこのことも話した。
「貴様等の様にな。確かに武器を持たぬ相手には興味はないがな」
「へっ、つまり戦士だってのか」
「そうだ。我等はアーレス様の戦士」
このこと自体が彼等の誇りでもある。
「しかと言っておこう」
「何度も聞いたがな。しかしあらためてわかったぜ」
「貴様等と我々の違いがか」
「ああ、よくな」
このことを言うのだった。
「そしてだ」
「今度は何だ?」
「ベルゼブブ、手前はかつては神様だったな」
「そういうことになっているな」
デスマスクの言葉を受けての言葉だった。
「カナンの地のだな」
「あの蜘蛛の剣持ってるすかした野郎と一緒だったな。バアルだったな」
「如何にも」
「貴様の戦衣はそうだったな」
「そして私は天闘士だった」
「悪魔になったってことか?」
魔神という存在をあえて悪魔と呼んでみせたのである。
「天使からな」
「そうだな。我等はアーレス様を選び」
カナンもデスマスクの言葉を受けて言う。
「そしてアーレス様も我々を受け入れて下さったのだ」
「それで今ここにいるってのか」
「その通りだ。貴様等と戦士になった事情は違うがな」
「アーレスの野郎のことも知ってるさ」
既に、という今のデスマスクの口調だった。
「もうな」
「覚えているのだな」
「思い出したんだよ。手前等とは前もやり合ったからな」
「あの時はあと
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