贖罪-エクスピエイション-part3/地下に眠る少女
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かめることもできず、それだけが気がかりだ。あの男なりに自分に対して気を使おうとしているのかもしれないが、自分としてこれ以上ここにゆったりしている場合じゃないのだ。
寝泊まりに使う彼の研究室へ向かう最中、ふとシュウは思い出した。思い起こせば、アルビオンのロサイスから、この魔法学院…距離としてはあまりに遠すぎる場所だ。なのに、なぜ俺はこんなところに飛ばされてきたのだろうか。
…行ってみるか。シュウは一度、コルベールに見つけてもらったというあの地下室へと向かってみることにした。
地下室には、コルベールが訪れた時と同じように、酷く散らかっていて埃被っていた。しかし夕暮れが近づいているせいで、やはり暗くなっている。
やはり中はほとんど明かりがともされておらず、真っ暗だった。こんな暗闇ばかりに満ちた場所へ、どうしてアルビオンから飛ばされたのだろう。
それでも、さらなる奥地へシュウは足を踏み入れてみた。夜道は慣れている。まったく見えていない、というわけでもなかった。
シュウは明かりのついていない闇の中を進みながら、地下室の最深部につく。一通り回ってみたが、無造作にものが置いてあるだけで特にこれといって何もない。もしかしたら、自分がどうしてアルビオンから遠く離れたこと場所に飛ばされたのか、その理由がわかるかもしれない。何かしらの原因がここにあると思っていたのだが…。
「…ん?」
ふと、シュウはあるものに目が留まった。
鉄…いや、灰色の箱だろうか。それが蓋を半開きにした状態で置いてあった。気味が悪く感じた。人がちょうど一人分入りそうな大きさで、奇妙な模様も刻み込まれている。まるで棺桶だ。
おぼろげな興味を抱き、彼は蓋が飛来は箱の中を覗こうとした時だった。
「何者だッ!姿を見せろ」
シュウの足音が聞こえたのか、その声の主は彼に向けて怒鳴り声を飛ばしてきた。もしや、侵入者?それとも、単にここを見回りしている学院勤務の誰かだろうか。
入口方面の暗闇の中、ランプで照らされた女性の姿が見えた。
「あんたは…確か、女王の…」
「お前は…あの時の…?」
地下室にやって来たのはアニエスだった。
二人はラグドリアン湖でアンリエッタを奪還した際に顔を合わせて以来だ。それにちょくちょくアニエスは、魔法学院に留まるようになったシュウの姿を見かけている。
「そうか。そういえば、お前はしばらくコルベールの世話になっていたみたいだな。
しかし、どうしてお前がここに…いや、そもそもなぜ魔法学院にいる?サイトの話だと、長らく連絡が着かなかったと聞いているが」
思えば、今の自分の立ち位置は女王の側近でもある彼女からすれば非常に怪しいことにシュウは気づいた。
補足を入れると、アニエスはまだシュウがウルトラマンであることを知らない。彼がありえったが操られたウェールズ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ