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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part3/地下に眠る少女
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の事」
口数が少ないからすぐに察することができなかったが、リシュのことを見て、シュウはあることに気づく。今日はこの少女をどこに泊めるか、だ。
ふと、もう一つ気が付いたことがある。
「…さっきからなぜ俺から離れない?」
リシュはなぜかシュウの服をつかんだまま離れようとしていなかった。
「…だめ?」
どうもアニエスのことを警戒しているのか、彼女から隠れるようにぴったりとシュウの足にくっついていた。
「あらあら、なつかれちゃったみたいね。確か、あなたってアルビオンに似た頃、何人かの子供たちに囲まれていたじゃない」
「…だからって、なんだ。その妙に熱を帯びた目は」
キュルケが、一度アルビオンのウエストウッド村を、偶然が重なってルイズらと共に来訪したときのことを思い出し、リシュになつかれているように見受けられるシュウを見て、妙に生暖かい目で見てきた。
「ミス、もしや彼とはアルビオンで一度会ったことがあるのかね?」
「ええ。そうですけど…別にミスタには関係ないことですよね?」
コルベールがキュルケの話の内容に興味を抱いたが、キュルケは連日の彼の態度を見て、臆病者と認識しているコルベールを軽蔑の眼差しで見返してくる。その視線にコルベールは息を詰まらせたが、すぐに今の状態の方に意識を戻した。
「…クロサキ君は子供の扱いに慣れていたのか。それなら、リシュ君のことはひとまず君に任せるのがいいかもしれないな」
「おい、ちょっと待ってくれ。俺はまだ…」
リシュを自分の手元に置くとは言っていないのに、それが前提で話が進んでいく。シュウがそのことに抗議しようとする。
「シュウ、あなた別に危ない趣味を持っているわけじゃないんでしょ?それなら別にあなたが面倒見ても問題ないじゃない?」
「ぐ………」
キュルケから言われてみて、シュウは何も言えなくなった。確かに幼女に欲情するほど落ちぶれた覚えはない。シュウはどうも自分が子供が苦手だという認識があった。
「…リシュ、邪魔?」
とはいえ、だからといってリシュをこのまま放っておくこともできないのも事実だ。放置したらかえっていらない罪を重ねてしまう。
「…はぁ、わかった。俺が見ておく」
仕方ないので、シュウはリシュをひとまず自分の傍に保護していくことを受け入れた。
「決まりね」
キュルケが笑うと、同時にリシュがシュウに飛びついてきた。
「わあい!!ありがと、お兄ちゃん!」
「な、おい…!くっつくな…!」
さっきまでとはまるで正反対のテンション。無口な子かと思ったらそうでもなく、意外に人懐っこい性格だったようだ。すっかりシュウになついたリシュを見て、周囲は少し和やかな空気が流れた。
だが、アニエスやコルベールは、学院の地下でどういうわけか眠っていたこの少女に対して、やはり何かがおかしいのではという
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