アイオワ、着任
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いるので今更治そうとも思っていないが。
『えぇ、別に構いませんよ。さぁ、此方です』
金剛が歩き出すと、その横に並ぶようにアイオワも一足跳びに追い付いてきた。
『それにしても、さっきのがこの鎮守府の提督なの?何だか冴えない人ね』
自分の最愛の夫を貶されて、胸の奥の方にチクリと痛みが走る。確かに第一印象はあまり良いとは言えない人だ。新任の駆逐艦等は着任の挨拶で一目見た時に、あまりの迫力に泣き崩れてしまった娘もいる位だ。その辺の事は追い追い解消していけばいい。
『見た目はどうあれ、優秀な人ですよ。海運の要衝を一任されている人ですから』
『ふぅん、まぁいいわ。それよりもここは静かなのね』
それも当然、時刻はまだ6時前。総員起こしまでは寝ているか、自主的に起きてトレーニングをしているかのどちらかだ。
『まだ起床時間では無いですからね。ですがそろそろーー…』
と話をしていると、鎮守府内にけたたましくラッパの音が響き渡る。総員起こしの号令だ。数の多いこの鎮守府では、外から聞いているとまるで地鳴りのように足音が聴こえてくる。
『す、すごい音ね……』
初めて聴いたアイオワも度肝を抜かれているようだ。
『基本的には鎮守府の中で生活している艦娘全員が、この時間に起床です。そして朝食、各自の装備点検を行って、一日の業務開始です』
総員起こしの例外は、夜間当直任務に就いていた者と非番の者、それに長距離遠征から帰還したばかりの者だけだ。起床のチェックに間に合わないと、指導員からの罰が待っている。余りに酷いと提督からのお説教(本気モード)が待っているので、寝坊する者はかなり減った。
『さて、私達も朝食にしましょうか?』
金剛が尋ねると、アイオワのお腹がグウゥ…と口の代わりに返答を寄越した。真っ赤になってアワアワしているアイオワを眺めながら、笑いを堪えて食堂へと再び歩み出した。
『さぁ、ここが食堂です。基本的には食事はここで行います』
『うわぁ……、広いわね!』
他の鎮守府の艦娘に聞いても、この規模の食堂は珍しいらしい。提督曰く「食事は効率的な兵士の運用の基本だからな。この位は普通だ」と語っていたが、単に食に拘りの強い提督の趣味だろうな、とは思っていた。
『さぁ、こっちですよ』
子供のように目を輝かせていたアイオワを引っ張って、注文カウンターに向かう。
「グッモーニン間宮、今日も大繁盛デスね〜?」
「あらおはようございます金剛さん♪……あら、お隣の方は初めて見る顔ですね?」
「あぁ、ついさっき着任したアメリカの艦娘のアイオワですよ。……アイオワ、こちらが間宮さんデス。皆の栄養管理をやってる凄い人デス!」
「Nice t
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