SIDE:A
第十一話
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になるかもしれない。
そう思うと、不思議と胸の高鳴りを覚えました。
男の子の名前はうずまきハルトくん。あの九尾の狐をやっつけ従えてしまった小さな英雄だと知り、ますます憧れの気持ちが強くなりました。
ハルトくんのことをもっとよく知りたい! そう思うようになったのは当然の成り行きなのかもしれません。
でも、自分から声を掛けるなんて恥ずかしくて出来ない。そんな私が出来ることといったら、遠くからハルトくんを見つめることでした。
ハルトくんの姿を目で追うようになってから色々なことに気がつきました。
たくさん笑って、笑顔がステキなこと。
私と同い年の妹さんがいて、よく一緒にいること。
一人で、もしくは狐さんや火影様と一緒に修行をしていること。
まだ子供なのにとても強いってこと。
とてもとても、優しい人だということ。
知れば知るほど、ハルトくんに対する憧れの気持ちも強くなっていって、いつしか彼のことが好きになっていました。
いえ、最初からハルトくんに恋をしていたのかもしれません。ただ、それに気がついていなかっただけの話で。
だから、お見合いの日を迎えた今日、初めてハルトくんと対面することに不安を覚えました。
私は臆病で恥ずかしがり屋だから、多分まともに話ができないと思う。
もし、一緒に居てつまらない女の子と思われたらどうしよう。
もし、変な子って思われたらどうしよう。
もし、嫌な子だって思われたらどうしよう。
不安が次から次へと沸き起こってくるけれど、ハルトくんは嫌な顔一つしませんでした。
私の拙い話にも朗らかに笑ってくれて、明るく笑顔を見せてくれました。
そんなハルトくんと一緒にいると、不思議と私の不安や緊張もなくなってきて、いつの間にかリラックスした状態で話すことが出来ていたんです。
だから、ハルトくんに好きだって言ってもらえてとても嬉しくて。
頭の中がわーってなっちゃうくらい、嬉しくて嬉しくて。
思わず泣いてしまいました。
「……ぐすっ……わ、私も……っ」
応えないと。私も勇気を出して答えないと!
胸が張り裂けそうなくらい、心臓がドクドク鳴ってるなか、私はありったけの勇気を込めて言いました。
「私も……ハルトくんのことが好きです……っ!」
滲む視界の中、ハルトくんが浮かべた満面の笑顔は一生忘れません。
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