SIDE:A
第十一話
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けた。
「正直いきなり言われて困るかもしれないけど、やっぱりちゃんと想いは伝えたほうがいいと思うから、何度でも言うね。貴女が好きです」
今すぐ結婚してくれとは言わない。六歳のヒナタちゃんには結婚っていわれてもピンと来ないだろうし、まずこの年齢ではできない。
婚約者だからとか、そんなこととは関係なく。
「日向ヒナタちゃん、君が好きです」
この思いよ、届け。
真剣な眼差しでジッと彼女の瞳を見つけていると。
「……」
「ちょ、なんで泣くの!?」
ヒナタちゃんが大粒の涙をこぼし始めた。
嗚咽一つ漏らさず、無言のままポロポロと大粒の涙を流し始めたのだ。
突然泣かれて慌てふためく俺。泣くほど嫌って訳じゃないよね!?
† † †
私には憧れている人がいます。
その人は二歳の時に誘拐されそうだった私を颯爽と助けてくれた恩人さんです。
怖くて、恐くて、お父様たちがすぐにやってきてくれると分かっていても震えることしかできなくて。目を瞑って耐えていたそんな時にあの人が現れました。
その人は私より少しだけ年上の男の子で、赤い髪を揺らして立っていました。私を攫う男の人たちに立ちふさがるようにして、海のように青い目で真っ直ぐ、男の人たちを見据えてました。
自分より大きな男の人が三人もいるのに、男の子はまったく恐がらないで、それどころか軽口を叩く余裕すら見せていました。
相手は大人の男の人で、しかもお父様たちと同じ忍の人です。早く逃げないと男の子は殺されてしまいます。
構わず逃げて欲しいのに、臆病な私は声を上げることも出来ず、ただただ目を瞑ることしか出来ませんでした。
そんな自分が嫌で、嫌いで、泣きたくなってきて。
涙が出そうに鳴ったその時、男の子があっという間に男の人を倒してしまったのです。
颯爽と倒して私を助けてくれるその姿は、まさに物語に出てくるような英雄のようで。
この日、私の心に一人の男の子が住み着きました。
お父様がある日突然、私には許嫁がいると言って写真を見せてきました。
その写真にはあの夜、私を助けてくれた男の子が優しい顔をして映っていて、思わずまじまじと見つめてしまいました。
お父様の話だと火影様と親しい間柄で、この写真の男の子は火影様のご子息とのことです。私を救ってくれた男の子が実は火影様の息子だったと知り、思わず驚きの声を上げてしまいました。
憧れのあの人が将来、私の旦那様
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