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提督はBarにいる。
実りある宴を・3
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 さてさて、コース料理ならばそろそろラスト……デザートの頃合いだ。用意していた蜂蜜酒もほぼほぼ飲み干した、お開きにするならいいタイミングだ。

「司令、私そろそろ甘い物が欲しいんですが……」

「あぁ、わかってる。いつも通りだろ?」

 実は霧島、いつも酒の席の〆は甘い物を食べている。ウチの店で飲んだ後、準備できればウチで食べていたが、そうでなければ酒保でチョコや飴玉を買って食べる程の徹底ぶりだ。霧島曰く、強い酒を飲んだ後に口の中をリフレッシュする意味があるらしい。他の飲兵衛共は蕎麦とかうどん、ラーメンとかステーキなんて奴までいるが、スイーツで〆るというのは中々珍しいパターンだ。出来る限りその要望には答えているが、今回は更に特別な日だ。ちょっと贅沢なスイーツを前日から仕込んでおいた。

「さぁ、本日最後の一品……『完熟マンゴーのソルベ』だ。味わって食ってくれよ?」

《完熟マンゴーのソルベ》

・マンゴー:500g

・ゼラチン:5g

・水:大さじ2

・コアントロー:小さじ1

 まずはマンゴーの皮を剥き、ミキサーにかけてピューレにする。水分が足りなさそうなら100%のオレンジジュース等を適量足そう。必要なら砂糖も足す。

 次にゼラチンを水でふやかし、湯煎にかけてトロトロになるまで溶かしてやる。後はマンゴーピューレにゼラチンと香り付けのコアントローを加えてよく混ぜ、冷凍庫で凍らせる。

 30分〜1時間程凍らせたら容器ごと取り出し、泡立て器やフォーク等を使って氷を砕き、氷の粒を小さくする。そして再び凍らせたら、もう一度砕き〜を繰り返す。大体2〜3回繰り返してやる事で口当たり滑らかなソルベが出来上がる。家で手軽にやるなら、材料をジップロックなんかのチャック付きビニール袋に空気を抜きながら入れ、同様に凍らせる。取り出したら手で揉み砕いて、氷の粒を小さくして〜を繰り返すのが楽だぞ。

 後は食べる30分位前に冷凍庫から冷蔵庫に移して軽く融かして、盛り付けてやれば完成だ。

「ん〜♪とってもフルーティデース!」

「冷たくて甘くて……とても美味しいです!」

 金剛も霧島も嬉々として食べている。やはり姉妹だな、食べ物の好みが似ている。

「そういえば、シャーベットとソルベってどこが違うんです?司令官」

 食べていたスプーンをくわえたまま、青葉が尋ねてくる。

「あ〜……大して差はないんだがな。強いて言うなら乳脂肪分が入っているかどうか、かな」





 元々ソルベもシャーベットも、果物を使って作ったシロップを水で薄め、砕いた氷を入れて飲むアラブ系のドリンクのシャルバートが原型と言われている。それがヨーロッパに伝わり、安定剤(氷に粘りや融けにくさを持たせる為の添加物。
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