第六章
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「言っておくけれど」
「そんな飲み方していたら」
「どうせコンビニ弁当とかと一緒に飲んでたんでしょ」
「確かね」
「やっぱりよくないわ。それでそれだけ飲んでなの」
「うん、お風呂場に入って鏡を見たら」
そうしたらというのだ。
「不思議なことにそんな姿だったんだよ」
「酔い過ぎて見間違えたじゃないの?」
「そうかな」
「とにかく飲むお酒は選んで」
「しかもあまり飲まない」
「そうしないと駄目よ」
彩加は朝から兄を注意してそれから部活の朝練に出た、この時はそれで終わったがある日クラスで友達とたまたま最近評判の妖怪アニメの話をしてだ。
その日兄が帰るとだ、まさかという顔で彼に言った。
「前にお兄ちゃんが朝にお風呂場でのことお話したけれど」
「ああ、あの舌が長かったっていう」
「しかも身体が赤いね」
「あれ鏡に映ってなかったのよ」
そうだったというのだ。
「これがね」
「じゃあ何だったのかな」
「妖怪だったのよ」
「えっ、妖怪なんている筈が」
「そう言うと思ったわ」
この日もだった、彩加は耕太に怒った顔で返した。
「ドンピシャね」
「だって妖怪は」
「いるのよ、これが」
「そう言うんだ」
「どうせ科学的に説明がっていうんでしょ」
「そうだけれど」
「今の科学で何でもかんでも説明出来ないでしょ」
彩加は耕太にこの言葉を返した。
「そうでしょ」
「そう言われるとそうだけれど」
「妖怪も然りよ。そしてその妖怪はね」
それはとだ、彩加は兄にさらに話した。
「垢舐めって言ってお風呂場に出る妖怪なのよ」
「へえ、そうだったんだ」
「お風呂場があまりにも汚くて風呂垢とか出たらそれを長い舌で舐め取ったりするのよ」
「お風呂が汚いと」
「実際相当汚かったから」
彩加が見て激怒する程にだ、彩加は話しながらあの時の怒りも思い出していた。
「そうした妖怪が出るのも当然よ」
「きついこと言うね」
「言われる方が悪いでしょ、とにかくね」
「そうした妖怪が出る位なら」
「そう、奇麗にしなさいってことよ」
これまた怒った顔で言う彩加だった。
「わかったわね」
「彩加は愛からわず厳しいなあ」
「清潔、健康に気をつけてるだけよ」
こう言いつつも顔は怒ったままだ。
「わかったら御飯よ」
「うん、それじゃあね」
「もう作ってるから」
その夕食をというのだ。
「ほうれん草と揚げと茸炒めたから」
「それじゃあそれを食べてだね」
「お味噌汁も作ったから。茸残って」
「あっ、いいね」
「早く食べるわよ。あとお風呂は私が最後に入って洗うから」
彩加は風呂の話もした。
「お兄ちゃん最初に入ってね」
「それじゃあね」
「全く、妖怪まで出るなんてどんな生活してたのよ
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