初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 後半
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まぁ、いいわ。じゃあ、私は知り合いに電話して回収車を持ってきてもらうわ」
岡野はそう言うと、ポケットから携帯を取り出し天桐達から少し離れていった。
それから天桐達だけとなると、ナツコ達は天桐達に近づいて来た。
「ねぇ、ちょっと」
ナツコの声に天桐はそれに反応する。
「うん?」
ナツコ達は天桐に質問した。
「どうなってるの?」
「そ、そうです。目の前に居たのに突然、消えて」
「・・・ウンウン」
天桐は目を逸らし教えたくないような顔をして答えようとした。
「あぁ、それはだな」
すると、別の方向からも声をかけられた。
「わ、私にも、お願い教えて」
顔を向けると、真剣な顔をしたハルナが天桐に目を合わせていた。
そのハルナの顔は真剣だったので、天桐は息を吐いた。
「ま、いいかな」
そう言うと天桐は説明を始めた。
「まずは、俺たちは勝つ作戦を考えた上で、シャーマンが攻撃を躱したり、反撃されないように動けなくしようと考えた。だが、シャーマンを動けなくする方法なんてそう簡単には見つからない。矢元が、穴でも掘って落とし穴を作ろうとか言ったが、無理があるのは分かっている。既にあるバンカーを使おうにも浅くて登りきることも出来る。それに、そんなの落とし穴を相手が気付いてバレる可能性もあった。だから、それを辞めたけど、逆に考えた。穴には、俺らが(V号)が入ればいいじゃないかと」
「自分で?」
「あぁ、既にあるバンカーに車体だけ隠れるように入ってから、その周りを草木や土で埋めようと。そうすれば、相手に姿を確認されにくいし、あの雨の視界の悪さならバレることはないと思った」
「けど、自分は動けないじゃない」
「あぁ、そうだな」
「それに、最初から埋まっていたってことは。それじゃあ。私達の目の前を走っていたあれは」
「あぁ、あれはだな」
天桐は早間に向かってあるお願いをした。
「おい、早間。あれを持ってきてくれ」
「はい」
返事をした早間はそのまま、シャーマンの前に向かって走ると何か布のようなものを持って帰ってきた。早間の持つそれは、泥のついてしわくちゃになり破けているゴム製っぽい茶色の大きな布だった。
それを見たハルナは、聞いた。
「何それ?」
「これはですね」
言いながら早間は、その布切れを広げていき、ハルナ達に見せつけた。
「風船です。V号戦車のね」
「ふ、風船?」
ハルナは、驚いた。
「ま、まさか」
「そう。お前らが、途中で見つけてあとを追ったのは、この風船戦車だ」
「けど、風船なんてバレるじゃない」
ナツコがそう言うので城ノ崎と天桐が答えた。
「確かに。普通なら風船だとバレるだろうね。けど、雨で視界が悪い上に、エンジン音も聞こえない。だから、本物そっくりに見えるんだよ。実際、そうでしょ」
「それで、こ
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