末っ娘の涙と提督の祝福
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父の日の騒ぎの翌日から、早速艦娘寮の増設工事が始まった。とは言っても俺の無茶振りのお陰(?)で建物を建てるのはお手の物になっていた妖精さん達。工事は1週間程で終わるとの事だ。まぁ、暫くはこの懐かしい鎚音を聞きながら仕事をするのも良いだろう。
「Hey、darling?」
「あん?なんだ金剛、藪から棒に」
少し酒の残った頭で書類仕事をやっつけながら、久し振りの秘書艦に就いた金剛の言葉に対応する。
「一昨日言ってた3つめの会議の内容ってなんなんデス?」
「3つめ?3つめ……あぁ、アレか。お前だけいても話せない話だっつったろ?」
金剛が内容を言うように迫っている話は、当事者がいなけりゃ意味のない話だ。
「どうしても聞きたけりゃあ霧島を呼んでこい、この話のキモは霧島だからな」
「じゃあ行ってきマース!」
そう叫ぶや否や、執務室を飛び出して行きやがった。あいつめ、まだ仕事も残ってるってぇのに……。
〜数分後〜
「司令、何かご用でしょうか?お姉様から重要なお話があると伺ったのですが……」
うわぁ、マジで連れてきやがったよあの暴走系長女。はい、そして困惑してる霧島の背後でドヤ顔して胸張らない。そんなgoing my wayな嫁は放っておいて、困惑したままの霧島に1つの封筒を手渡した。
「本当は業務の後に霧島一人だけ呼び出して渡す予定だったんだがな。文句言うなら金剛に言ってくれ」
「私宛に大本営から……?開けても宜しいですか?」
「当然。お前宛の書類だ」
そう俺に促されて、霧島は封筒を開ける。中身の書類は俺も事前に確認しているが、霧島の事だ、感動のあまり泣いてしまうかもなぁ。
「『艦娘と陸軍兵士との婚姻に関する覚え書き』……?まさかコレって!」
「まぁ、そういう事だ。この間の会議の発端はお前さんの彼氏君だったんだよ、霧島」
事の発端は今霧島がお付き合いしている若き憲兵君……橘 慎二君がきっかけだった。付き合い初めから結婚を前提に…と話していた橘君、当然ながら上司であるブルネイの憲兵隊の司令にも報告したらしい。そこの司令は俺もよく知っているが、中々情の厚い出来た人だ。二人の事も全面的に応援する立場だったらしいのだが、何せ海軍の『秘密兵器』である艦娘と陸軍の……それも憲兵との結婚なんてのは初の事態だったろう。憲兵の司令殿が本土に報告した所、憲兵隊の本部からNOが出た。それをどうにかするのを手伝って欲しいと頼まれ、本土に向かうのは遠すぎる、との事で中間位の距離の鎮守府での会談が決まった……というのがこの間の顛末だ。
「いや〜、随分骨折りだったぞ?本土の憲兵の石頭共を何とかするのは」
俺はそう言いながら会談の様子を思い出し、苦
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