6月第3日曜日・11
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「ではまず、今回のパーティの発案者である睦月型の娘達から、提督への感謝のお手紙です!」
青葉の司会進行で睦月型の娘達が前に出てきた。
「で、では!提督さんへのありがとうの気持ちを書いたお手紙を読み上げたいと思います!」
『提督さんへ
私達艦娘には“親”がいません。姉妹や他のお姉さんはいますが、お父さん、お母さんはいません。鎮守府には沢山の艦娘の仲間がいるので寂しくありませんが、時々街に行くと両親と手を繋いで歩く女の子を見て羨ましいと思う事もありました。
ですが、私達は気付きました。私達を気遣い、励まし、叱り、導いてくれる提督さんは私達の“お父さん”と変わらないじゃないか、と。
なので、父の日という今日の日に言わせてください。お父さん、いつもありがとう』
睦月型の面々が声を合わせて手紙を読み上げる。チクショウ、まさか泣かされそうになるとは。歳喰うと涙脆くなるとは聞いてたが、これは効きすぎだ。
「中々感動的なお手紙でした!さぁ、提督さんに感想を伺ってみましょう」
「あ!?感想言うのか俺」
嫌がる俺に無理矢理マイクを渡してくる青葉。
「あー、正直な話こんな風に祝ってもらうとも思ってなかったし、はっきり言って照れ臭い。だがな、こんなに心優しい“娘”を持てて、俺は幸福者だ……というか長門ぉ!お前がおんおん泣いてるから感動半減なんだよ!」
「だ……だっでぇ…!」
会場からどっと笑いが上がる。睦月型の面々が手紙を読んでいる最中から、とっくの昔に陥落していた長門は大声を挙げて泣いていた。全く、お前に向けての手紙じゃねぇだろうに。
「まぁいい、こんなに盛大に祝ってくれてありがとう。知っての通り俺は湿っぽいのは嫌いだ。だから、俺を祝うなら皆大いに食って飲んで騒いで、楽しんでくれ」
俺がそう言って挨拶を締めると、わっと拍手が再び起こった。
「では提督もこう仰ってます、早速乾杯と参りましょう!」
ワイワイとグラスやジョッキ、コップを持つ艦娘達。俺と金剛の席にセッティングされていたグラスにも、那智と矢矧がそれぞれシャンパンを注いでくれた。
「では乾杯の音頭は、僭越ながら青葉が!」
コホン、と軽く咳払いをしてから赤ワインの注がれたグラスを持ち直す青葉。
「今夜は提督へ感謝しつつ、精一杯楽しみましょう。乾杯!」
『乾杯!』
大合唱が食堂内に響く。その場でグラスを飲み干す者、早々にご馳走に挑みかかる者、談笑に耽る者……様々に別れた。俺はシャンパンを一息に飲み干すと、料理を取りに向かった。折角俺の為に作ってくれた物らしいからな、味わわないとバチが当たるってモンだ。
「取り敢えず酒と……軽く摘まめる物を、と」
何
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