第3話 〜闇夜の恐怖〜
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第六層までって聞いたわ」
「……これこそ焼け石に水か……百層には程遠いな」
ランの持っていた攻略本を眺めながらハヤテは言った。
……正式版となったこのSAOに、この情報はどこまで通じるか……表紙に書いてある注意書『この本はβテストの体験談によって作られています、全てが正しいとは言い切れませんのでご注意下さい』という文字を見た瞬間にハヤテは思った。
「……まあ、ある程度は参考にしておこう。これ、返すぞ」
「はーい」
「……少し留まり過ぎたな。そろそろ行動を再開しないと……!」
「……どうしたの?」
ユウキは不思議そうにハヤテを見た。
その理由は、行動を再開しようと言い歩き始めたハヤテの足が突然止まったからだ。何が起こったのかさっぱり分からないユウキとランはしばらくハヤテを凝視した。ハヤテは足が止まった後から一つも動作が無い。そして不安になったユウキはハヤテに話し掛けようと手を伸ばした。
……その手がハヤテの肩を叩こうとした瞬間、ハヤテが動いた。
「ハ、ハヤテ!?」
「どうしたの!?」
「……見つかったか」
突然腰に差している片手剣を抜いたハヤテの言葉に対し、姉妹はさっぱり追い付けなかった。
しかし、その言葉の意味はすぐに分かった。……突然、自分達が通る筈だった辺りからが奇声が聞こえた。その奇声は森の入り口で聞いたものと同じだが、声の大きさはその時よりも大きい……しばらくすると、声の主達が三人の前へと姿を現した。
「フシュルルルルルル……」
「……あれって……」
「……植物……?」
奇声の主を初めて見た姉妹は静かに呟いた。
三人の目の前に現れたのは植物系モンスター……【リトルペネント】。その外見は現実に存在する捕食植物【ウツボカズラ】を胴体にし、その下部には無数の根、そのすぐ上には手の役割を勤めているような二本のツル、そしていかにも捕食生物らしい粘液まみれの口。空想上で言う怪物が三体。三人の目の前に立っている。
「……気持ち悪い……」
「……そうね……」
「そんな事を言っている場合じゃない、やるぞ」
【リトルペネント】に驚いている姉妹を横目に、ハヤテは戦闘を始めようとした。
しかし、ユウキとランは動かない。……怖じ気づいたか。予想はしていたがこの状況では最悪だ。不運を呪いながらハヤテは二人は戦闘不能と判断し、仕方なく一人でペネント達の相手をしようと剣を構え、走り出した。ペネント達は近づいてくるハヤテに反応したのか、奇声を上げると一斉に彼を襲った。一匹はツルを伸ばし、一匹は粘液を吐き出し、一匹は口を大きく開けて接近した。
「……っ!?」
ハヤテは
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