暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
6月第3日曜日・1
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 艦娘が企画した催し事でも、間宮と伊良湖はあまり絡んでくる事はない。あくまでも裏方に徹していて、その辺りは提督が気に病んでいる所でもあった。

「私が最初に相談を受けたので、そういう事になっちゃいました」

 そう言って舌をペロリと覗かせる間宮。間宮に相談を持ちかけたという事は、料理やお菓子絡みの事か。サプライズパーティか何かだろうか?と金剛は当たりを付けた。

「わ、私達が間宮さんに相談したの!」

 そう言って進み出て来たのは、

「睦月ちゃん……」

 そう、普段はその低燃費を活かして遠征や護衛任務に大活躍している睦月型の面々だった。今日もその半数以上は遠征に出ており、この場にいたのは睦月、如月、三日月の3名だった。

「でもなんでまたこんな時期にサプライズのパーティを?」

「え、えっと……その…」

 睦月は恥ずかしいのか、口を開こうとしない。

「も、もうすぐ『父の日』ですよね!?な、なので私達のお父さんのような司令官に日頃の感謝を伝えたくて!その……」

 あぁそういえば、と三日月に言われて金剛は思い至る。6月の第3日曜日……つまり次の日曜日は父の日だったか。昔、冗談半分で贈り物をしたら、『俺はそんな歳でもねぇし、第一お前は俺の娘じゃねぇだろ!』と怒られた事があった。……まぁ、その時に贈った腕時計は未だに使ってくれているようだが。

「それで、私がパーティをしたいと相談を受けて」

 と間宮が言い、

「睦月型だけズルい!と他の駆逐艦達が混ざって」

 と吹雪が続けた。

「そこに面白い匂いを嗅ぎ付けた青葉が来て、全員に知れ渡っちゃったんです」

 比叡がそう言うと、皆が頷いた。あのパパラッチめ、と金剛は少し思ったが、確かに金剛にもバラしてしまえばサプライズの成功確率はガクンと落ちるだろう。何せ夫婦だ、仕事の時以外は顔を合わせている時間が他の艦娘に比べて圧倒的に多い。青葉もその辺は空気を読んで、金剛には明かさなかったのだろう。




「それなら、提督のバースデーでイイんじゃないですか?」

「た、誕生日だと毎年バレちゃうんだもの!」

「アー……」

 暁に言われて思い当たる節もあった。何度かサプライズバースデーをやろうとして、途中でバレた事もあった。

「クリスマスは毎年皆で騒いでいるし」

「バレンタインデーは何故だか提督疲れてるし」

「お正月はお酒で撃沈多数で動けないし」

 他の催し事でのお祝いを避けた理由を挙げられていけば、確かに残るは父の日位だった。

「成る程、事情は飲み込めまシタ。知ってしまったからには私も協力せざるを得ませんネ〜…」

「いえ、いずれお姉様にも明かして、提督を鎮守府から連れ出す役目をお願
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