黄金獅子の下に
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相手にどうしただろうか、考えてみた。
そして自分ならば逃げ出すか、胸ぐらを掴まれただけでパニックを来たし、相手が何を言っても謝るばかりだという結論に達した。
ビッテンフェルトは大雑把な性格の持ち主ではあるが、大らかでもあるし、弱い者苛めは嫌いだ。だから勢いよく乗り込んではきたものの、作業員が戦々恐々し怯えていたら、とにかく自分の艦隊の塗装を黒に塗り替えるように伝え、警備員の制止を聞かず、ヘルメットも被らずに入ってきたことを素直に詫びただろう。 苦情ではなく、単に自分の乗る艦の仕上がりを見る為に軍人がドックを訪れることならばたまにある。
それが新造艦だったり、初めて艦長として乗り込む艦ならば気にもなるだろう。といっても艦内が見られるわけではない。外側から、自分の艦はこんな外観なのか、と眺める程度だ。
旗艦には違いがあっても、巡航艦や駆逐艦は規格がある。どこで作っても設計図が同じなのだから同じ型だ。
それでも乗り込んでしまえば外側は見えないのだし、軍港から乗船の際にも一部しか見ることはできない。映像ではなく、自分で全体像をゆっくり見ようとすればドックに来るしかないのだ。
「少なくとも主任のように喧嘩腰には……」
「相手が先にそうだったんじゃねえか」
「……もう、いいです」
はあ、と息を吐き出しながら、一週間分の疲れを感じたグリムだった。
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