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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 前半
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加埜は汗だくになった額を手で拭き取り、城ノ崎はハンドタオルで自分の顔を拭きながら
「ほんとだぜ」
「もし、あの時後退してなかったら、今頃やられていたのはこっちだったね」
早間は次弾を装填しながら
「そうですね」
それぞれがそう言うと、スポーツドリンクを飲んだ矢元が皆に聞いた。
「でも、なんで撃破出来てなかったんだ?」
その言葉にいち早く加埜が反応した。
「そ、そうだぜ。なんであの時撃破出来てなかったんだ?撃った俺がいうのも何だがタイミングは
バッチリだった」
早間と天桐もそれに対して、
「確かに、加埜さんの射撃タイミングは合っていたはずなのに」
「確かにそうだ」
天桐達は、なぜあの絶好のタイミングで撃ったはずの砲弾が外れていたのか考えていると矢元が、
口を開いた。
「あのさぁ、気のせいかもしれないけどよぉ。撃った瞬間だ。相手が少し下がったように見えたんだ」
そう聞いた早間と天桐は
「え?」「下がった?」
「あぁ。シャーマンが上り坂を登りきった時、ブレーキを掛けて同時に後退を始めたように見えたんだよ。まるでこちらが撃つのに合わせたかのようによぉ」
そう言った加埜の言葉を理解した早間は、
「けど、それがほんとだとしたら。自分達の作戦を知っていたってことになりますよね」
そう言うと天桐も
「おそらく、分かってたんだ。俺らの手が」
「え?」
「あいつらは、今までに何度も試合をしてきた経験がある。なら分かっても不思議じゃない」
そう言った城ノ崎と早間も天桐の言うことに少し納得した。
「確かに、経験者ならそれくらい出来るかも」
「確かに。相手は、大会で優秀な成績を残す程ですからね」
加埜は理解して拳で壁を殴った。
「やっぱ読まれていたか。・・・くそ」
すると矢元と城ノ崎は天桐に聞いた。
「なぁ、士良。どうする?」
「あとプランはCとDしかないけど」
天桐は二人に言われると
「それも、おそらく使い物にならないだろう」
「やっぱ、そうだよね。同じ様な手出しバレるか」
「そうか」
「じゃあ、どうする?これから」
彼らは、ただ悩むしか無かった。
まだ戦車経験の浅い彼らが作戦を考えれる物には限度がある。たとえ、難しい作戦を考えても彼らの
腕で出来る可能性は低い、それに相手は実力も経験もある為、その分失敗するリスクも高かった。
つまり、出来る勝つための手が元から少ないのだ。
悩んでいる天桐は、今の時間を知ろうと左上の時計を見ると
「時間は、あ」
腕時計を見て反応した。時計のガラスが割れていた。おそらく、先程の戦闘でどこかにぶつけたの
だろう。壊れて時間が分からないので天桐は、壊れた腕時計を城ノ崎に見せて時間を聞いた。
「賢太、今の時間は?」
「え?あぁ、うん。今は、9時36分だね」

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