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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 前半
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離なら外れること
無く命中し、撃破できるはずなのだ。だが、実際は出来てはいない。
V号車内で理解出来ない天桐達。
それに対して、シャーマンのハルナ達はというと。
車長であるハルナは、砲塔内でペリスコープからV号を見ていた。
「そんな手が通用すると思った?」
ハルナは睨みつけるようにV号に向かって言った。
「アンタ達の考えることなんて。私には分かるわよ。姑息な男の考えなんて」
その答えは単純だった。上り坂を登りきったシャーマンに向かってV号は発射したのは、天桐達も
分かっている。問題は、ここからだ。シャーマンは、登りきったと同時に、すぐさま停車と後退した
からだ。そのせいで、発射のタイミングがズレてしまい装甲の傾斜で砲弾は掠れたのだ。
それは、天桐達の狙いが分かっていなければ中々出来ないことだが、彼女達は出来た。そう、
なぜなら彼女は、天桐達が、そう仕掛けてくることを予測出来た。いや、分かりきっていたのだ。
続いてハルナはミアキに対し指示を出した。それと同時に天桐は矢元に指示を出した。
「撃て」「後退!」
シャーマンの発砲と同時にV号は後退した。すると、シャーマンの砲弾はVの砲塔右の装甲をギリギリ掠めた。それを見たハルナは冷静にすぐさま指示を出し、そのまま次弾発泡の準備に取り掛かった。
「次弾、急げ」
シャーマンの攻撃をギリギリ躱したV号は、後方へ全速後退で逃げていく。
「ど、どうする?」
「不味いねこれ」
「先輩、どうしますか?」
「い、一時撤退だ」
すると天桐は、ハッチから顔を出し周辺を見回した。それから矢元に指示を出した。
「10時方向の森に入れ」
「おう」
すぐさま森へと方向転換させ、全速力で走り森へ入って行く。
それ見た、シャーマン側の砲手であるミアキは照準器を除きながら
「あらあら逃げますわ」
操縦席に座るナツコも同様に言った。
「逃げるよ」
砲弾を持ちながらチフユは車長であるハルナに聞く。
「・・・追う?」
「追撃はいいわ。停車」
ハルナは指示を出すと、ナツコはブレーキを掛け停めた。
「いいの?」
「ええ、いいわ」
ハルナは一息をついてから左手で顎を擦りながら少しニヤついて。
「このまま、あいつらを徐々に追い込んでいくわよ。そして、ヒーヒー言わせて白旗を立たせてやる」


天桐達は、森に入った。森の中は、木々で真っ直ぐ走れないのでジグザクに走行した。
そのまま30メートル程進むと、反対側から外に出た。
「よし、そのまま奥の森にも入って中で停車だ」
「あぁ」
V号戦車はそのまま更に奥の森に入って行き、途中で停車した。
天桐はすぐさま後方を向き、双眼鏡で後方を確認した。
「追ってきては・・・いないか」
天桐がそう言うと、息を吹いた。
「ふぅー、危なかった」
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