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提督はBarにいる。
嗚呼、懐かしの烏賊尽くし・その1
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ッション性抜群かと思ったが……予想以上に弾力があって、案外痛い。

『だ、大丈夫スか?』

「あぁ、大丈夫だ。しかしまぁ久し振りだなぁ勝(カツ)……何年ぶりだ?」

『零二さんがコッチに帰って来ませんからね。それこそ十数年ぶりですよ』

 ぶつけてジンジンと痛む鼻を摩りながら、電話口の知人、勝に応じる。勝ってのは本名が勝志(かつし)と言い、さっき言っていたウチの近所に住んでいたイカ釣りの船頭の息子だ。親父さんと同じ船で漁師になり、数年前に隠居した親父さんから引き継ぐ形で船頭になったと、お袋からの電話で聞いていたのだが、何かトラブルでもあったのか?

「で?どうしたんだよ突然。電話してくるなんて珍しいじゃねぇか」

『いやぁ、実はイカ釣りついでに零二さんに会いたくなりましてね?今船でそっち向かってるんですわ』

「は?いやいや、お前なぁ民間の船舶が何の手続きも無しに軍の施設に入港出来る訳がねぇだろが」

『あ、その辺は大丈夫っス。零二さんの知り合いだって言ったら停泊してた他の港で荷物を預かったんで、届けるついでにって事で許可貰いました』

 ……それでいいのか、警備ユルすぎない?まぁ、賊が侵入してもフルボッコにして捕まえる位はやるが。詳しく話を聞くと、荷物を預かったついでに艦娘の護衛まで付けてくれたらしい。ずいぶんとまぁ、気前のいい話だ。

「あ〜解った。んじゃ今からウチの手の空いてる奴を迎えにやるから。大体の緯度と経度教えろ」

 俺は携帯の受信をスピーカーモードにして、愛宕にメモを取らせる。軽巡と駆逐艦の6隻編成で迎えにやる事にして、電話を切った。

「編成はどうします?」

「任せた。勝の野郎の事だ、手ぶらでは来ねぇだろうから俺は支度しておくよ」

 まず間違いなくイカは来るだろうから、今夜のウチの店はイカ尽くしでもいいかも知れんな……なんて事を考えながら、俺は準備を始めた。




 そして数時間後、一隻の大型漁船がウチの護衛部隊に守られながら入港してきた。船首ではよく日に焼けた男が激しく手を振っている。

「しばらくでしたね零二さん!」

「お前も随分焼けたなぁ勝。昔は漁師のクセに真っ白だったのによぉ」

 昔の馴染みとの久々の再会。嬉しくない訳がない。

「しかしまぁ、生で艦娘なんて初めて見ましたよ。……で、どれが嫁さんでどれが愛人スか?」

「やかましいドアホ!」

 そう、勝はこういう奴だった。見た目はゴツくて純朴そうな面構えだが、中身は女好きのスケベ。美人と見ればすぐに口説きにかかる。その上顔立ちもそこまで悪くないから中々にモテる。昔からしょっちゅう女絡みの話をしては俺と軽いド突き合いをしていた。

「つか、頼まれた荷物は?」

「あぁ、そうそう
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