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提督はBarにいる。
山雲農園の春野菜スペシャル!その3
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れでカレーソースは完成。


 お次は野菜の調理だ。フライパンを熱し、サラダ油大さじ1〜2を引いたら蚕豆をフライパンの中に。塩を振り、強めの中火で炒めていく。焼き目が付いたらアスパラ、人参、キャベツの順に加えてから、全体に焼き目が付くまで炒めて塩、胡椒で味を整える。

「わざわざ野菜を別に炒めるのか?一緒に煮込んだ方が手間もかからんと思うが……」

「春野菜ってのは総じて柔らかく、香りが良いのが多いからな。カレーと煮込んじまったら、溶けちまったり香りがカレーに打ち消されたりで良さが出ないからな。手間でも別に炒めてやった方がいい」

「そういう物か。やはり私には料理は向かんな」

 苦笑いするようにくっくっと喉を鳴らして笑う武蔵。

「そうか?勿体ねぇなぁ。お前も大和も美人なんだから、家事が出来れば文句なしの嫁さんだと思うがなぁ」

 俺がそう言うと、途端に『お前は何を言ってるんだ』という顔になる武蔵。

「それなら大和共々、お前が貰ってくれれば良いだろう?別に戦争が終結すれば日本に義理立てする必要も無かろう。一夫多妻が認められてる国にでも行って、レストランでもやりながらハーレム状態で暮らせば。……なぁ大和、いい案だと思うだろ?」

「ふえっ!?ななな、何を言ってるのよ武蔵!」

「ん?だって今『満更でもない』って顔してたじゃないか」

 ……おいおい、勘弁してくれ。青葉にでも聞かれてたら厄介だ。武蔵の案は具体的過ぎて実現出来てしまいそうだから困る。青葉が広めちまったら、LOVE勢が結託してその方向に動きかねん。

「あらあら〜?提督さんもモテモテで大変ですねぇ〜。昼ドラみたいな展開にならないといいですねぇ〜」

 ニコニコしながら傍観者を決め込んでいる山雲は、スプーン片手に準備万端だ。

「おいお前ら、不毛な言い争いはその辺にして、今日の所はカレー食って帰れ」

 皿にご飯を盛り、炒めた野菜を載せて、そこにカレーソース。見た目も美味い、香りも美味い、ホントに食べても美味い。さぁ、冷めない内に食っちまえ。

「うむ、野菜の香りもカレーのスパイスに負けてないな」

「それにシャキシャキで美味しい〜♪」 

「そりゃ新鮮だからな。山雲ありがとうよ」

「どういたしまして〜♪」

 その後も山雲の為に毎週食事会を開いていたのだが、アスパラの時期が終わるまで〆は春野菜のカレーだったのはまた別の話。
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