山雲農園の春野菜スペシャル!その3
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
欲しいなぁって……そのぅ…」
成る程な、確かにこのレタス炒めの味は酒だけじゃなく飯のおかずにも最高だ。だが……
「駄目だ」
「何でですかっ!?」
絶望した!とでも言いたげな顔の大和。落ち着け、ちゃんと理由はある。
「次の料理が今日の食事会の〆の料理だがな……メニューは『春野菜のカレー』だ。だから白飯は出せん、すまんな」
流石に白飯食わせた後にカレーは、幾ら大和型とは言え食わせ過ぎだ。大和も理由を聞いて納得したのか、
「まぁ、そういうことなら……」
と、大人しくなった。さて、そんな腹ペコな大和が怒り出す前に、さっさと作っちまおう。
《提督流春野菜カレー》※分量10皿分
・鶏モモ肉:3枚
・キャベツ1/4玉
・アスパラガス:1袋
・蚕豆:1袋
・人参:1/2本
・玉ねぎ:1個
・カレールー:10皿分(箱の分量に合わせましょう)
・その他サラダ油、水、塩、胡椒、ご飯等:適量
まずは具材のカットから。キャベツは一口大のざく切り、アスパラガスは根元から1cm位を切り落とし、下1/3位の皮をピーラーで剥いてやる。玉ねぎは半分に割って繊維に沿って縦薄切り、人参は薄い半月切りにし、蚕豆はサヤから取り出す。鶏モモ肉を一口大に切ったら完了だ。
「提督さん〜?山雲ぉ、聞きたい事があるんだけど〜」
「ん、何だ山雲?」
「蚕豆(そらまめ)ってぇ、何で蚕の豆って書くんですか〜?」
「蚕豆の旬は5月……ちょうど養蚕の始まる時期に食べ頃になるんだってのと、サヤの形が蚕の繭に似てるからだってのは聞いた事あるな」
「へぇ〜そうなんですかぁ〜。てっきり蚕が食べるから蚕の豆って書くんだと思ってました〜」
そら豆の別名は意外と多い。『空豆』、『夏豆』、『四月豆』、『天豆』、『野良豆』……これらは全て蚕豆の別称だ。食べ方としては塩ゆでか、サヤごと焼いてサヤの中の豆を食べるのが一般的だな。……あぁ、揚げて塩振ったいかり豆も美味いな。後は煮物やスープにしたり、中華に欠かせない豆板醤の主原料だったりと、案外活躍の場は多い。
※因みにだが、酸化還元酵素の一部に先天的異常があると、蚕豆を食べて溶血性貧血を起こし、最悪の場合死に至る事がある(ソラマメ中毒)。気を付けましょう
……話が逸れたな。具材のカットが終わったら鍋にサラダ油大さじ1〜2を引いて熱し、鶏モモ肉を皮目から焼いていく。こんがりと焼き目がついたら返して、玉ねぎを加えて全体を混ぜるように炒める。
玉ねぎが薄く茶色く色付いてきたら、水を加えて沸騰させ、アクを取りながら30分煮込む。煮込んだら一度火を止め、カレールーを入れて溶かしつつ再点火して更に10分煮込む。こ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ