暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#40
星魔の絶戦 千変VS星の白金FINAL〜Star Platinum The World〜
[13/13]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
じ事。
 後は、一刻も早くこの総力戦(たたかい)が終結に向かう事、
治癒能力のある者が承太郎を発見してくれる事を祈るのみである。
 なのだが。
「……」
 亡骸と一体何が違うのか、離れ逝く魂魄が透けて視えるような躯が、
虫の這い擦るより遅い速度で全壊を免れた建物へと向かっていった。
 シュドナイとの絶戦は終わった、でも、終わってない、
まだ、 “終わっていない”
 荒れた大地に血の轍を残し、崩れた壁面を支えにして何度も失敗しながら、
無頼の貴公子はようやく身を起こすのに成功する。
 片腕を失った事により重心のバランスが崩れ、
かつての平衡感覚では立つ事すらままならないのだ。
 冷たいコンクリートの感触を背に、力無く漏れる淡い吐息。
 自分はいま苦痛を感じているのか、生きているのかすら曖昧な意識。
 そんな寄る辺なき状態の中、胸に宿る存在だけが
確かに自分は生きていると実感させる。
「……」
 喪失の悔恨ではなく、諦観にも似た心境で見つめた疵痕。
 恐怖や絶望は、不思議なほど浮かんでこなかった、ただ、
「また、泣かせちまうかな……」
穏やかさの中に微かな苦みを含んだ、消え去るような声が吐息に流れた。






(アイツの涙は、どうも苦手だ。
良い悪ィ関係なく、こっちが悪いように想えてくる。
やれやれ、正直、さっきのヤローなんかより、よっぽどおっかねー) 





 紡いだ想いは、現か幻か。
 ごく僅かの後、無頼の貴公子の姿はそこになかった。
 罅割れた壁面に、無数の赤い手形、擦り付けた痕。
 その先に、血の足跡が、荒れた大地に続いていた。
 彼女の待つ、約束の場所まで、どこまでも、どこまでも。



←TOBE CONTINUED…














『泣くんじゃねぇぞ……笑ってろ……』











[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ