暁 〜小説投稿サイト〜
病みそうにない艦娘が病んじゃったお話
プロローグその2
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
随分と暴れていた。

ちなみにだが親戚がこの町に住み始めたのはかなり最近でブラック鎮守府の噂も昨日耳に入ったばかりだという。

両方激怒していたせいか、疲れというものを知らずにしばらくの間その場でひたすら殴り合いをしていた。

周りの艦娘はその光景に呆気をとられていたが、二人共倒れしばらくして自分で立ち上がったとき実松はとぼけた声で「とりあえずどうしようか」と親戚に話しかけた。

その後親戚が(ボロボロの体で)海軍の本部に連絡をとりそこにいた提督と憲兵は連行されていった。

ちなみにだが実松も暴行及び過剰防衛ということで彼も連行されていった。

しばらくして彼は鎮守府の新しい提督として戻ってきた。

既に一部の世間に知らせられていることもあるが、今回の事件の責任、そしてしばらくの間正式な提督が来ないことも切っ掛けに彼が提督になったのだ。

その時に鎮守府の門に彼を待っていた一人の艦娘がいた。

その艦娘こそが木曾だった。

実松が連行される前に木曾は彼に何故こんなことをしたのかを聞いた。

一人の艦娘が逃げていたのでその艦娘に話しを聞いて気が付いたらこんなことをやっちゃった。とのことだ。

実松は開き直って木曾に満面の笑顔を見せた。

木曾はその時初めて本当の笑顔というものを見た。

今までは前提督の冷徹でゴミを見るかのように見下した嘲笑いだったり絶望のあまり逆に壊れた笑いをした艦娘までもを見てきた。

しかし今回見た笑顔は本当に、純粋に、嬉しくて出した笑顔だった。

その顔を見て木曾はまるで光り輝く美しい宝石に見えた。

今まで他の艦娘に八つ当たりをしてしまったせいで、他の艦娘は彼女には若干引きぎみだった。

それゆえ正面から話すことはあまりなく当然笑顔を見ることもなかった。

だが実松はそんな自分にその事を話した後も連行されるまできれいな笑顔を見せてくれた。

木曾は彼が連行させる前に「お前が提督になってくれ。お前でなければ俺は生きていくことが出来ないんだ。」とはっきりといった。

本人もだが周りの艦娘も驚いた。

何せ木曾は強い精神力を持っているため人に頼ることは基本的にないのだ。

しかしそんな彼女が本気でそのようなことをいうのならばそれほど彼に信頼していると言うことだろう。

よく考えれば彼女もまた女性である。

今まで頑張ったのだろうが流石にきつかったのだろう。

身も心も。

彼が提督になるのを知って一番喜んだのは木曾だ。

その為わざわざ門で実松を待ち続けていたのだという。

もう一度あの笑顔を見たい、その一心でずっと待っていたのだ。

実松こと新提督は彼女に会うと再びその笑顔を見せた。

木曾はもう一度その笑顔を見れて
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ