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ガンダムビルドファイターズ 〜orbit〜
未来へのミチシルベ 中編
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。そして、問題はこのあとだ」

そう言うと、一つ咳払いをする。

「突発性拡張型心筋症の発病。事件で親や友人を亡くす。そして、心移植による身体へのストレス。これが一気に重なり、レイ少年は無意識に心のダメージを回避しようとした。それにより、解離性同一障害になったのだと思う。

それだけではない。レイナさんが言っていた、レイ少年らしくない言動や行動が起きた原因は、同じく心のダメージを回避しようとした結果、別の人格が生まれたんだ」

タカナシ院長の言葉に、俺達は息を飲む。俺は自分の胸に手を当て、鼓動が速く打っているのを感じる。

「俺の、いや………………この心臓のドナーの、名前を教えてくれ」

「…………少し待ってくれ」

そう言うと、資料らしきものが纏められていた紙の山から探し出す。

「あったぞ。君の心臓のドナーの名前は、レイエン ユキヤだ」

「レイエン ユキヤ…………」

それが、この心臓の持ち主………………。

「これで、レイ少年について知っていることは終わりだ。何か質問はあるか? 」

「あっ、じゃあちょっといいスか? 」

ヒメラギが手を上げ言ってきた。

「なんだ? 」

「その事件の犯人って、結局誰なんスか? 」

その言葉に、タカナシ院長は眉をピクッと反応した。

「…………私も詳しくは知らない。だが、レイ少年だけが生き残ったが、レイ少年が犯人ではないことは確かだ。そして、残念ながらこの件に関しては公にされていない。私にも調べようはない」

「そうッスか…………いや、わざわざどもっす」

「いや、大丈夫だ。他に、質問がある者はいるか? 」

今度はアマネが手を上げ、質問した。

「あの…………どうすれば、カグラ君の解離性同一障害が治るんですか? 」

「申し上げにくいが、解離性同一障害は簡単に治るものじゃない。なぜなら、それはもはや一人の人格として存在してしまっているからだ。
その人格も、レイ少年を形作っている。その人格を消すと言うのは、極めて困難だ。存在そのものが消えると同義だからな。そして、その人格が無くなれば、自然と今の人格も崩れる危険性がある」

「そんな…………」

「だが、だからと言って方法がないわけではない。受け止めるんだ。レイ少年も、ここにいる皆も。解離性同一障害とはいえ、精神病の一種だ。回りの環境も良くなれば、自然と良くなっていく」

「っ───はい! 」

アマネは力強く返事をし、一瞬だけ俺の事を見てきた。

「さて…………レイ少年の症状も、事件の事も、そして治療法も話した。他に聞きたいことはあるか? 」

「いや、もう充分だ。ありがとう、タカナシ先生」

「気にする必要はない。これも君達子供達の、未来のため
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