逃避行の果て 後編
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ーーー−−
「あれ?ここは? 」
いつの間にか、見知らぬ場所に立っていた。どこか都会っぽい感じのところで、辺りには住宅街があり、遠くを見るとビルがいくつもある。
「なんだこんな所にいんだ、俺? 」
あまり深く考えず、頭を掻きながらテキトウに歩いてみる。住宅街は続いており、横断歩道も何気に多い。あっ、これ都会だな。って確信した。
だが、問題が一つあった。先ほどから妙な違和感が頭から離れないのであった。
「なんだこれ?なんか引っかかるって言うのか、歯がゆいって言うのか…………」
なぜか、大切な事のような気がするのだけは、分かった。だが、なぜ大切な事なのかは、まったく分からなかった。
「う〜む。分っかんねぇ……」
腕を組ながら思案するが、結果は無駄だった。なに一つ分からない。すると、ふと視線が一人の女に向いた。
「……………っ!!まさかっ!? 」
急いでその女の元へと走っていく。まさか…………そんなはず……!
「母…………親……! 」
その女は、レイナと話していた時に流れた映像に映った、俺の母親だった。
「なんで母親が…………! 」
母親の元まで行き、肩を掴もうとするが、幽霊のようにスルリと通り抜けてしまった。
「こっちからは接触出来ねぇってわけかよ…………声も聞こえてねぇようだし……! 」
ならば、せめてあとを追わせてもらう。もしかしたら、重要な何かが分かるかもしれないと思ったからだ。
しばらく歩いて行くと、先ほどいた住宅街に戻ってきた。そしてある家の前で母親は止まる。
そのまま玄関を開け、扉が閉じられる前に中に入る。
「ただいまー。ちゃんと勉強してたかしら? 」
母親は通路を進み、襖を開けて部屋に入る。その部屋の中には、小さな子供がいた。
「………やっ〜ぱりしてないわね。何今日の分の宿題を終わらせずに呑気にテレビを見て…」
「母さん!俺天之川学園に行く! 」
っ────!この子供…………もしかして俺、なのか……!?じゃあ、俺が今いる見ているのは、子供の頃の記憶ってわけか……!?
「熱は……無いわよね。うん。どうしたのいきなり?あそこは地味に成績がよくないと入れないし、アンタ馬鹿だからほぼ不可能だし、まずここは東京だから引っ越ししなきゃいけなくなるなるし、そもそもアンタは………まだ小学三年生でしょうが」
「馬鹿は余計だ! 」
「いやだって、いきなり小学三年生が行くと言い出したら普通にびっくりするわよ?どうしていきなりそんなこと言い出したの? 」
母親に聞かれた子供の俺は、テレビを方を指差した。
「テレビでなんかスゲーかっこいい勝負をしていてさ!それで天之川学園が優勝したんだって!
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