逃避行の果て 前編
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た。ワタシがずっとココにいるっていったトキも、レイはいてくれた。だから、レイはヤサしい………」
「っそれは…………」
「レイは、とてもナカマオモい。ミンナのナカで、イチバンナカマをタイセツにしている」
そう言い切ると、小さな両手で俺の手を握ってきた。
「だけど、あまりヒトリでカカえこまないで……………レイには、ワタシやミンナがいるから……」
「ぁ……………」
「レイ、ハナして。ワタシもイッショにセオうから……」
慈しむように優しく微笑みかけ、セシリアは再び言ってきた。
何があろうと真っ直ぐで、いつもと変わらないセシリアは、あまりにも眩しかった。だからなのか、俺は自然と言葉を紡ぎ出していた。
「………………俺は、中二の時に記憶喪失になったんだ。知識だけは残ってたみたいだけど、思い出や過去に何があったのか覚えてねぇんだ。
その時に孤児院に引き取られて、レイナや子供達と過ごした。
どこか抜けて、世話焼きのレイナ。危なっかしくて、元気一杯な子供達。俺がしっかりしてなきゃいけなかったから、過去の事を気にする余裕が無かったんだ。
だから、この際前を見て進もうって思ってたんだ」
だけど、それは過去から目を背けているのと同義だった。
「けど、最近になって妙な事ばっか起き始めたんだよ。急に頭痛がするわ、頭に靄がかかったかのような映像が流れるわ、変な夢を見るようにもなったわ。オマケに昨日今日の出来事。本当、散々な目にばっかあってんだ。
そして、さっき言った変な夢の中で、知らない男に言われたんだ。あの日…………多分、俺が記憶喪失になった原因の日の事を、レイナから聞けって。だから、さっき聞いてきたんだ」
俺の過去を、知るために…………。
「いざ聞いたら、信じられない事ばっかだったんだよ。
俺は小さい頃から天之川学園に行きたがってたとか、命に関わるほどの重い病気を患っていたとか、記憶喪失になった日。
その日は親子行事で、殺人事件が起きて俺以外の全員が死んで…………そして、その時に母親も亡くなったらしい…………」
実の母親との記憶も思い出せずにいるのに、悲しみが溢れてくる。それと同時に、レイナと話していた時に頭に流れた映像を思いだし、空いてる手で顔を隠し、セシリアから顔を背ける。
「俺、は…………どうし、て…………いつも大切な人を、傷つけていくんだよ……」
母親のこと、レイナのこと、アマネやセシリア、皆のこと…………全て俺が関わっていることだ。だから、俺は離れなきゃいけないと思ったんだ。俺と関わっていたら、また傷つけてしまうかもしれないからと。
『全部レイ自身の責任だ。
そう………………全部レイ自身が起こした問題だ。現にレイは、敵や仲間
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