ながもんの仲直り大作戦!(後編)
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だ、俺は。
「いやぁ……随分と期間が開いただろ?その…長門に比べて、さ。」
長門の名前が出た瞬間、陸奥の顔が明らかに曇る。
「そのお詫びの意味も込めてな……新作デザートの試食をしてもらおうと思ってな。」
そう言いながら冷蔵庫から1切れに切り分けた苺のミルフィーユを出してやる。
「あら、旬の苺じゃない♪私大好物なのよ〜♪」
やはり苺が好物だというだけあって、嬉しそうだ。
「さぁ、遠慮なく食ってくれ。」
「じゃあ……頂きます。」
フォークを片手に、陸奥はまず一番上の苺に突き刺した。大きな口を開けてパクリと一口。
「ん〜っ、この甘酸っぱい味!やっぱり美味しいわ!」
「そりゃあな。いい苺仕入れて作ったからよ。」
長門の料理の腕が不安だったから、素材の良さで誤魔化そうとした、とは言うまい。続いて陸奥は、重なったミルフィーユを横倒しにする。勿体無い、と思う人もいるかもしれないが、これが出来るだけ綺麗にミルフィーユを食べる食べ方なのだ。
固く焼けているパイ生地を上から押し付けてもグチャグチャに崩れるだけで、見た目にも美しくない。横倒しにして切り分けやすくして食べる方が見た目にもマナー的にも正しいとされている。(実際、フランスでも横倒しにして食べるらしい)
フォークで切り分けて口に運ぶ。途端に笑顔に変わるその表情が、ミルフィーユの美味しさを物語っている。
「ふぅ……美味しかった。」
「満足したか?そりゃ良かった。」
「えぇ、とっても美味しかったわよ……長門姉ぇ。」
げ、気付かれてたか。
「いつからバレてた?」
「当然よ。提督が作ったらもっと丁寧な作りの味だもの。料理を作り慣れてない……恐らくは、仲直り狙いの姉さんが作ったんでしょ?このミルフィーユ。」
「む……陸奥っ!この間は済まなかった!この通りだ!」
控え室に隠れていた長門が飛び出して、陸奥に土下座した。瞬間、クスクスと笑い出す陸奥。
「いいわよ長門姉ぇ、許してあげる。……大体、こんなに美味しい物食べたら、怒ってたのが何でだか忘れちゃったもの。」
はぁ。何とも馬鹿らしい決着だぜ。…さて、姉妹の問題が片付いた所で今度はこっちの問題だ。
「陸奥。」
俺に呼ばれたのに気付いた陸奥が姿勢を正した。長門はキョトンとしている。長門にはケッコンカッコカリの事は伝えてなかったからな、当然か。
「お前で12人目のケッコンカッコカリになる。……当然、ジュウコンが気に入らないというなら断ってもいい。しかし、指輪を渡す限り俺はおざなりに扱うつもりはない。お前が求めてくれればその愛情表現には精一杯応えるつもりだ。よく考えてから答えをーー…って、おい!?」
俺
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