ながもんの仲直り大作戦!
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ポン菓子製造の音と陸奥の爆発音が勘違いされた一件、通称『むっちゃんポン菓子で撃沈事件』(青葉命名)からはや一ヶ月近く。未だに長門と陸奥の冷戦状態は終結の兆しを見せていない。食事時には同じテーブルに着く事はなく、長門が話し掛けようとするとそっぽを向き、長門を視認すると逃げるように反対方向に歩き出す。そんな『長門完全拒否』の態度を崩さない陸奥に対し、日に日に落ち込んでブルーになっていく長門。その姿はまるで『二足歩行している潜水カ級』のようで、その身体から漂うオーラ(?)のせいで山城が扶桑と勘違い、ならぬ艦違いをやらかすという事態まで起きている。これはどう考えても宜しくない。ここまで酷い事になるとは予想もしていなかったので放っておいたが、いよいよ手を差し伸べないといかん状態になってきている。その為に業務が終わった後に長門を店に呼び出した。
「私はもうダメだ……おしまいだ…このままカウンターと同化していたい……。」
「おいおい、随分な言い草だな。そんなに陸奥との仲は悪化してるのか?」
カウンターに突っ伏したまま、顔を擦り付けるように頷く長門。その落ち込んで淀んだ空気は、放っておいたらキノコでも生えてきそうな程にジメジメしている。
「謝ろうにも話すら聞いてもらえん……そもそも、顔を合わせる事すら陸奥の奴は拒絶しているのだ。あんな状態では謝りたくても不可能だよ……嗚呼、このまま海の底にでも沈んでしまいたい…。」
ダメだこりゃ。完全に意気消沈してやがる。陸奥も何となくで意地になっているような気がしないでも無いのだが、互いに意固地になってしまって拗れているような感じだ。
「仕方ねぇなぁ、真っ正面から顔を付き合わせるのが無理なら、手紙なり何なり書けば済むだろうが?」
「手紙……いやダメだ、あの状態の陸奥が私からの手紙を素直に受け取るとは思えん。」
んな事ぁねぇだろ、と言いかけた言葉を飲み込む。確かに今の状況からすれば十分に有り得る話だ。ならば、
「なら、甘い物はどうだ?」
「甘い物?」
「そう。ウチの店に呼び出して、お前が作ったとは教えずに陸奥に喰わせる。んで、完食した所でお前が謝罪の意味を込めて作った物だと明かす。そこで改めてお前が謝れば万事解決……どうだ?少しは現実的な案だろうが。」
「そ、そうだな。……しかし、私は甘味作りなどほぼ素人だし、その…上手く作れる保証は無い。」
「見てくれなんて気にすんなよ。謝罪の気持ちってのが大事なんだからよ。それに、お菓子作りなら俺が教えてやる。」
「ほっ、本当か提督!?」
「あぁ、ウチの主力の2隻がいつまでも不調じゃ困るしな。」
どうにか元気を取り戻した長門に明日の午後に再び訪れる事を約束させ、陸奥の好物を聞いてからその日は部屋
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ