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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十四話 一つの決着
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した黒鐘はイルを睨み返し、首を左右に振った。

「ネタバレするのは嫌いなんだ」

「へっ、そうかよっ!!」

 当たり前の拒絶に納得し、急降下する速度を上げながらイルは再度、黒鐘に突撃を仕掛けた。

 先ほどの技を見抜くために彼の動きに神経を張り巡らせ、刀を振るう。

 刀身は再び漆黒の炎が包むが、それは大技の類ではなく、魔力変換資質によって発生した炎。

 魔力伝達で強化した際に発生した現象の一つだった。

 空中から落下する速度を考えれば、回避はまず選ばず、あるのは防御か――――先ほどの反撃のみ。

「これでも喰らえッ!!」

 勢いよく振るわれた刃は縦一線に黒鐘の身体を真っ二つにするかのように迫る。

 プロテクションによる防御をとっても、この一撃は力によって叩き落とし、燃えたものが燃え果てるまで焼き付く業火によって息の根を止める。

 ならば黒鐘に残された手段は、先ほどイルを上空まで弾き飛ばした奥義のみ――――と、イルが考えていたことを黒鐘は気づいていた。

「悪いけど腹いっぱいなんだ」

「ッ!?」

 淡々とした返事の瞬間、振り下ろされた刃が黒鐘を左右に真っ二つにした――――はずだった。

 しかし刃は空を切ったように手応えがなく、かと思えば黒鐘の身体は陽炎のように揺らめき、溶けるように消えた。

 天流・第弐翔/蜃気龍。

「変わりといってはなんだけど、これを喰らってくれ」

 声は背後から聞こえた。

 背後では黒鐘が銃になったデバイスをイルに向け、すでに漆黒の魔力がバスケットボールほどの球体に収束していた。

 全ては一瞬の出来事。

 イルの回避不能と思われていた一閃を回避し、背後に回った黒鐘が砲撃の用意を終わらせる。

 そして――――。

「ディバイン・バスターッ!!」

 ――――引き金を引くと同時に、漆黒の球体はビーム状の閃光となってイルに衝突し、漆黒の爆発を起こす。

「ぉぉぉおおおおおッ!!」

 力いっぱいの呼気と共に砲撃は出力を上げ、イルを巻き込んだまま海まで叩きつけていった。

 出し尽くした所で海岸の海が宙を舞い、雨のように地上を濡らしていく。

「はぁ、はぁ……っ」

 大出力の砲撃の衝撃は発動者の身体に大きな負担をかける。

 黒鐘は全身が軋むほどの痛みに耐え切れず、地面に膝をつく。

 握力を失い、右手から滑り落ちたアマネも待機モードのタブレット端末の姿になって地面に落ち、服も学生服に戻った。

 それは彼が戦う力を失うほど消耗していると言う証でもあった。

《マスター、大丈夫ですか?》

「だ、大丈夫そうに見えるか?」

《……愚問でしたね》

 主の状態を確認するため
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