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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十四話 一つの決着
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道場の隅で諦めかけていた私の耳は、視線の先にいた一人の少年が私の父と修練をしている姿を見つける。
私より少しだけ背の高い、けれど握っている木刀と同じくらいの身長だったその子は傷だらけで、対する父は無傷だった。
それを見て、彼は父に歯が立たないけど諦めずに挑んでいるんだと言うことに気づいた。
私の時は倒れている私を父が無理やり立たせて、諦めさせてはくれなかったと言うのに。
彼は私と変わらない年齢にも関わらず、自らの意思で父に立ち向かっていた。
まるで『諦める』なんて言葉を知らないかのような真っ直ぐさ。
私には、マネできないものだと思った。
――――しばらくしないうちに、彼は倒された。
過呼吸気味な息。
全身は痛みと疲労で震えて、それを見ていた誰もが終わりなんだと感じていた。
だけど、私と、きっと父は気づいていた。
倒れながらも、彼の目は諦めずに父を睨みつけ、倒れながらもその手は刀を握り締めている。
そして彼は、ゆっくりと立ち上がった。
震える脚に力を込め、握り締めた刀に意思を込め、彼は再び構えた。
そして無言で見つめる父を睨みつけて声を張り上げた。
『まだやれる……だから、続けてくださいっ!』
その声には、意思が乗っていた。
私にはないほどの力強い意思。
その小さな身体のどこにあるのか分からないくらいに大きくて、眩しいものを彼は持っていた。
そして父に挑む彼に、私は憧れと――――微熱を持った感情を抱いた。
「あれから五年……早いわね」
海岸から吹く潮風が頬を撫でる。
春特有の生温い風は、私の心によく似てる気がして。
「もっと、強くなる」
私に改めて、強い決意を抱かせてくれた――――。
*****
「〜〜〜ってぇなぁおいッ!!」
音を超えて爆発に等しい戟音が響くやいなや、イルは地上から弾き飛ばされ、はるか上空――――雲の上まで飛ばされていた。
最初の衝撃の時点で足は地面を強く踏みしめていた。
なにより彼は大技を放っていたが故に体勢を崩さないよう、意識を研ぎ澄ませていた。
そんな状態すら嘲笑うように彼の身体は対応できないほどの『力』によって押し負け、結果として上空まで飛ばされる。
そしてそれは、イルにとっては追い込んでいて敵に逆転された瞬間でもある。
「こんな力ぁ……今まで隠してたってのかぁおい……」
あまりにも予想外の展開に困惑しつつも彼は、自分をこの場まで飛ばした相手――――小伊坂 黒鐘を睨みつけ、地上へ向かいながら問う。
「なんだぁその力はよぉ?」
爆風を刀で薙ぎ払い、姿を現
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