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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十四話 一つの決着
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っ!!」
コンテナが多く並ぶ海岸沿いで、フェイトは悲痛な声を上げながら地面に倒れた。
遅れて駆けつけたあたしは、倒れかけたフェイトを抱きとめることしかできなくて、そしてフェイトをこんな目にあわせた相手を睨みつけることしかできなかった。
「あんたがフェイトを……!」
「私も被害者。 お互い様」
淡々と言いながらこちらに歩み寄る、白い浴衣を着た女の子。
左手に握られたレイピアが彼女の獲物なら、接近されるのはマズイ。
そう思いながら警戒していると、彼女は何を思ったのか武装を解除し、無防備な制服姿に戻った。
「……なんのマネだい?」
「あなたとは戦わない」
「なんで?」
「理由がない」
「あたしになくて、フェイトにはあるってのかい?」
「ある。 けど、それは私の役割じゃない」
「……だからやめるって?」
彼女は無言で頷いた。
私には、彼女が言っている意味が理解できない。
役割って?
理由がないって?
あたしの知らない間で、フェイトと彼女に何がったって言うんだい?
全てを知ることは、この時この場ではできない。
とにかく、戦うつもりがないのならこっちは好都合。
「なら、あたしはお言葉に甘えて逃げさせてもらうよ」
「好きにすればいい。 けど、きっとそれは長くは続かない」
「どういうことだい?」
彼女はまた、意味のわからないことを聞いてきた。
意味が分からず、しかし興味を惹かれる言葉。
理由を聞かずにはいられない言葉。
彼女は相変わらず無言で、何を考えているのか分からない表情で答えた。
「フェイトも、あなたもきっと、黒鐘に救いを求める。 そして、彼は絶対に救う」
「……クロガネ?」
聞いたことのない名前だった。
きっと彼女の仲間だろう。
その、クロガネって存在が、フェイトやあたしを救う?
――――やっぱり意味が分からない。
「あたしは救いなんて求めてない。 フェイトも、きっと同じだ! なにより、こっちの事情はこっちの問題だ! 部外者に何ができるって言うんだい!?」
あたしはつい、怒りを込めて叫ぶように問い質してしまった。
何がそうさせたのだろうか?
何が、あたしをイライラさせたのだろうか?
やっぱり、部外者が救うなんて口にしたから?
敵が、余裕そうな雰囲気で語るから?
いや、どれも違う。
でも、ではなんなのか?
それは分からない。
だけど彼女は――――、
「それでも助ける。 黒鐘は必ず、二人を助ける道を突き進んで、必ず救ってみせる」
「っ!?」
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