暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part2/臆病教師と喪失の青年
[10/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
す?」
シュウがコルベールに対して妙に穏やかじゃないことを口にしてきて、シエスタはいったい何のことだろうと首を傾げた。すると、穏やかな雰囲気を漂わせていた笑みから一転して、コルベールは神妙な顔つきでシュウを見た。
「…君はまだ回復しているようには見えない。君が意識を失っていた頃に医者に診てもらったが、完全に健康な状態となるにはもうしばらくかかる」
「…その時が来れば、返していただけるんですね?」
「…ああ、約束しよう」
睨むような視線を向けるシュウに対し、口ではそのように言ったコルベールだが、彼の顔を見て本心からそれを約束することはできなかった。
「ふぅ…」
「…どうしたんですかミスタ・コルベール?妙に意気消沈しているようですけど…」
テンションが低く見られるコルベール。シエスタは何があったのかを尋ねてみる。
「いや、途中で授業を中止させられてしまってね。生徒たちもあの通りだ」
コルベールが指をさすと、銃士隊と学院の生徒たちが広場に集められていた。先っぽを布で覆った棒を力のない腕で、槍のように何度も突出す訓練をしている。
「あの人たちは、女王陛下が新設した平民の女性の部隊の方でしたよね。」
「あぁ、その通りだ。アニエス君たち銃士隊の人たちが、生徒たちに戦闘訓練を施すように陛下から命じられて派遣されたのだよ。おかげで授業が中止にされてしまった」
コルベールとしては、戦う術をあのような若者たちが会得していくのは心苦しかった。アニエスの主張した理屈もわかるし、かつてタルブ村がレコンキスタに攻め入られた時にサイトが主張した指摘もわかるのだが…どうしても…『思い出してしまう』景色がよぎり、彼らもまたそのビジョンの通りの運命をたどるのでは?そんな不安がよぎってしまうのだ。
(…ダメだな、あれは)
一方で、シュウはため息を漏らした。生徒たちの動きは、まるで部活に入りたての新人部員のようにぎこちなかった。訓練活動で出さなければならない声も小さすぎる。まだ最初の方だから許容範囲内だが、この状態がずっと続くと指導者たちから雷を落とされるだろう。特に女子は酷く、同じ女性である銃士隊の面々からみれば、育った環境のせいもあるとはいえ、情けなく見えているかもしれない。
地球にいた頃、自分もナイトレイダーとしての訓練を受ける際、副隊長である凪や、銃器の指導をしてくれた詩織からもよく扱かれたのを思い出した。ちゃんと真面目にやっても、すぐに思うところを見つけては手厳しく指摘を入れてきたものだ。そのおかげで今の自分がいるのだが。
…まぁ、自分には関係のないことだ。装備品を取り上げられたままテファたちの元へ帰ることもできないので、シュウはとりあえず、ホーク3号の破損個所を再確認する。
「コルベール先生、魔法で思い通りに鉄を作ることは可能ですか?」
急に話を切
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ