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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part2/臆病教師と喪失の青年
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に装備品を返してもらい、この魔法学院を出てアスカやティファニアたちの状態を確認しに行きたいのだが、まだ返してもらっていないため、出るに出られなかった。
仕方ないので、返してもらうまでの間、シュウはコルベールから聞いていたホーク3号の修理作業を進んでやることにした。元々ナイトレイダーの基本装備の開発に携わっていたためか、その時のメカニックとしての血が騒いだというべきか、ホーク3号にも興味を惹かれたのも理由である。タルブ村の戦いでこの機体が撃墜されたのを見た時、どうしても蘇らせたいと考えたほどだ。
コルベールに装備品を取られた際の不満は、機械いじりをしている内に多少なりとも収まりがついていたが、アスカやティファニアたちのことを考えると、どうしても焦りを感じてしまう。そして結局今は彼らの安否を確かめることもできないことを思い知らされ、結局このホーク3号に目を向けるしかなくなる。やはり返してもらうように言っておかなければ。
そのコルベールが、数冊ほどの教材を魔法で浮かせながらシュウとシエスタの元にやって来た。
「み、ミスタ・コルベール!」
予期せぬコルベールの来訪に、シエスタが急にかしこまると、コルベールは気さくに笑う。
貴族と平民の間にある溝と差別意識、格差から生じてしまった常識が、たとえ平民が相手でも対等に接するコルベールが相手でもシエスタについ、徹底した礼儀を強いさせるのだ。
「シエスタ君、なにもそこまでかしこまることはないよ。……む、その水兵服は何かね?」
シエスタの今の格好が、普段のメイド服じゃないことに気づいたコルベールが彼女に尋ねた。
「あ、これはその…サイトさんからプレゼントされたんです…シエスタになら似合うだろうって」
そう言ってシエスタは軽く回ってみた。サイトが見ていたら、綺麗に靡くスカートと見え隠れしている彼女の綺麗な太ももを見て、感涙していたかもしれない。そして同時に、シュウはそんなサイトを冷ややかな目で見ていたことが予想される。ぶっちゃけた話、彼はシエスタのセーラー服姿に興味を微塵も抱かなかった。
(戦争の服を楽しんで着るとは…)
戦争そのものに対して強い嫌悪感のようなものを持つコルベールは、あのサイトがその類の服を着せたということに懐疑的な思いを募らせたが、いや…と、たった今自分が抱いた考えを払った。サイトは戦争を楽しむような少年ではない。ただ純粋に彼女にあの水兵服が似合うから着せただけなのだろう。
「…ところで、クロサキ君。傷の具合はもう平気なのかい?」
コルベールは、今度はシュウの方に向き直って彼に体調を尋ねる。
「ええ、もう十分動けます。介抱してくれたことに感謝します。…ですから、そろそろ私の持ってきたものを返していただけませんか?」
シュウはコルベールに、取り上げられた装備品の返却を求める。
「返
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