贖罪-エクスピエイション-part2/臆病教師と喪失の青年
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闇の巨人による魔法学院への襲撃、
それは…サイトたちが、ハルナがウェザリーの刺客にしてファウストであることが明かされた戦いから、サイトたちがテファや炎の空賊団と再会を果たすまでの間のことだった。
世間は今、ウルトラマンと怪獣・侵略者の戦いで動乱の中にあるが、シエスタは以前と変わりなくメイドの仕事をこなしている。
「サイトさん、最近来てくれないな……」
仕事に不満があるわけじゃないが、想い人であるサイトとはどうも顔を会わせる機会が少なくなっている。不満があると言えばそこだ。
きっとサイトはルイズにこき使われているのだろう。そして疲労した分をハルナが癒して、二人はサイトとの距離を次第に縮めていく。ご主人様と昔馴染みのクラスメートである二人が何だかずるく思えてしまう。そして危機感を覚える。
タルブ村で一度告白を断られたことがあり、シエスタはサイトがどこかへ一人で旅立ってしまう予感があった。だが、それをどうにかするのもまた恋する乙女の使命というもの。シエスタにはある秘策があった。
サイトがしばらく学院を開けることが多くなる前……サイトが初めて魅惑の妖精亭で仕事をし始めたところを、叔父スカロンを訪ねてシエスタがやってきた時期のことだ。
ハルナが当時、異世界の環境の変化の影響で体調を崩し、その薬をサイトと一緒に買いに行った際だ。サイトは街の服屋を通りがかると、彼は店に吊るされているアルビオンの水兵服に、まるで宝くじを当ててウハウハ気分の当選者のように飛び付いた。なぜサイトが水兵服などに興味を持ったのかというと、どうもサイト曰く、地球では女子生徒はこの水兵服にスカートを履いて通うのが一般的だそうだ。ハルナが身に着けていた服もその一種だが、本来のセーラー服のような水兵服ではなくブレザー。サイトはそれに関しては見慣れているところもあるので、気分を変えて違う制服を…それも正統派性を出している制服姿のシエスタを見てみたいとか。地球人の血を引いているシエスタだからこそ似合うと考え、ぜひ見てみたいと思ったに違いないだろうが、明らかに煩悩塗れの野望だ。ゼロもサイトの目を通してそれを見たときはかなり呆れ果てていたに違いない。
…ハルナやルイズに知られたら間違いなくゴルゴダの刑確定である。
彼の趣向に関しては、シエスタも正直意味不明すぎるところがあるが…ただ一つわかることがある。
「…これをサイトさんに見せたら…」
『うおおおおおおおおおおお!!俺最高おおおおおお!!!シエスタも最高ぉおおおおオオオオ!!生まれてきてすいましぇえエエンッ!!』
きっと喜ぶに違いない。もしかしたら自分がドン引きしてしまいかねないほどのリアクションをとるほどに。脳裏にそのイメージが湧き上がる。サイトの故郷の装束を自分も切ることができて素直に嬉しく思えるほど、彼女はサイト
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