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夏は夜
第三章

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「そうなるんだよ」
「そういうことね」
「じゃあまずは出店で遊ぶか」
「射的する?」
「いいな、あとかき氷食おうな」
「暑いからね」
 むし暑い、美咲は日本の夏特有のこの暑さについても言及した。
「だからよね」
「ああ、苺食おうぜ」 
 それをというのだ。
「シロップはな」
「そうね、じゃあまずは二人でね」
「かき氷食ってな」
「たこ焼き食べて焼きそば食べて」
「色々食ってな」
「射的もして」
「お小遣い貯めてたんだよ」 
 この日に備えてとだ、翔太は美咲に笑って言った。
「だからな」
「うちも。だから」
「今日は思いきりな」
「二人でね」
「楽しもうな」
 こう話してだ、そのうえで。
 二人で祭りを楽しむだした、かき氷も焼きぞばも食べてだ。射的もしてだ。美咲は翔太と共に楽しい時間を過ごした。
 そして八時位になった時にだ、翔太は美咲にあらためて言った。
「よし、じゃあな」
「出店の次は」
「花火見に行こうな」
「そろそろはじまるわね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「ここじゃあまり見えないだろ、花火」 
 二人が今いる神社の境内ではというのだ。
「別の場所に行こうぜ」
「何処に行くの?」
「神社出てすぐ傍の田んぼのところがいいんだよ」
「そこがよく花火が見えるの」
「ああ、だからな」
「今からそっちに行くのね」
「そうしないか?」
 翔平は美咲に言った。
「今からな」
「そうね、それじゃあね」
 美咲は微笑んで翔平に答えた。
「一緒にね」
「田んぼのところ行こうな」
「それで花火をね」
「見ような」
 二人でとだ、翔平も笑顔で言った。そうしてだった。
 美咲は翔平と共に神社を出てすぐ近くの田んぼのところに向かった、道の左右は稲穂がかなり広がっている。
 その田んぼの道に出てだ、翔平は美咲にあらためて言った。
「ここ見渡せるだろ」
「そうした場所だから」
「ああ、花火もな」
「よく見えるのね」
「そうなんだよ」
「そうね、ここならね」
 周り、夜の田園地帯を見回しつつだ、美咲は翔平に答えた。
「よく見られるわね、花火」
「そうだろ、だからな」
「今からここで見るのね」
「もうすぐあがるからな」 
 わくわくしている感じでだ、翔平は美咲に話した。
「楽しみにしていろよ」
「実際そうしてるわ」
「よし、じゃあな」
「今からね」
「花火見ような」
 その見晴らしのいい場所で二人でというのだ、そして翔平の言う通りにだった。花火が次から次にとだった。
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