並べるような存在
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してやる」
相手が動くよりも早く交わしていたのに、彼のカマはほんの数センチほどを上を通過していきました。
「ほう。よく気付いたな」
一振りを終えたからか、例によってカマを地面へと突き刺すイネスさん。それを見て私はあることに勘づきました。
(そうか!!彼がいくら力があるといってもあれだけ重たい武器を振り回すのは労力がかかる。だから休みながらじゃないと攻撃に出れないんだ)
毎回一つの動作が終わるとカマを地面に下ろしていたのはそのため。腕に疲れを残さないようにと気を配っていたんですね。
(どのくらいで回復するかはわかりませんが、次の攻撃を凌いだ時が狙い目です)
こちらが仕掛けてこなければ、彼の方から動いてくるはず。それを交わした後が狙い目です。
「隙あり!!」
ただ、いつ来るのかわからない攻撃を待つのは神経を使います。できるだけ早くしてほしい、そう思っていると、後ろから思わぬ援護射撃が飛んできました。
「無駄だ」
火の魔法でイネスさんを狙い打ったのは後方に下がっていたサクラ。ですが、この攻撃はイネスさんが振るったカマに防がれてしまいます。
(今だ!!)
でも、それは同時に私たちのチャンスタイムへとなります。ここで息を付くためにカマを下ろすはず。その間に彼に攻撃を入れれば・・・
ドスッ
予想通り、イネスさんは地面に武器を突き立てました。その直後に私が迫ってきているのに気が付きましたが、ここからじゃ対応できないはずです!!
パッ
そう思っていると、彼はあろうことか持っていた武器から手を離します。支えるものがなくなったカマは、後ろへとゆっくりと倒れていく。
(でも関係ない。むしろ思っても見なかったチャンス!!)
武器を手放したということは、彼は丸腰。幸いカマは私の進路を塞ぐわけでもないですし、何も影響はありません。
そう思いながら手を握り締め力を込めます。
「フンッ」
私のパンチが彼を捉えようとした瞬間、大きな拳が私の腹部に突き刺さりました。
「ガッ」
バキッという音とともに全身から力が抜ける。重たい一撃を受けた私は、サクラが待機していた場所のすぐ後ろにあった木へと弾き飛ばされました。
「ウェンディさん!?」
木に衝突した後、地面に叩きつけられた私のもとに真っ青な顔のサクラが飛んできます。
「う・・・うぅ・・・」
しかし、私はそんな彼女に何も返事をすることができません。理由は、さっき殴られた部位がひどい痛みに襲われているからです。
「あばらが折れてるだろうな」
「!!」
ドスドスと近付いてくる足音にサクラが振り返ります。私も危険が迫ってきていることはわかってるのに、起き上がれる気がしません。
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