並べるような存在
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たきをしていることからまだこちらを警戒しているのだということが理解できる。
(俺は全然大丈夫だけど、あまり時間を掛けすぎるのは好ましくないな)
耐えられなくなった方が先に仕掛け、待ち続けた方はその心の緩みから一気に優位性を取る。お互いにそう考えているのだろうけど、じゃあ意志を持って突進した場合はどうなるのだろうか?
(スピードはそうそう負けないし、パワーで押し切られることもないはず)
このままの状態で堪えるのと一気に攻めて状況を変える、どちらがより利点が多いか一度整理してみる。
(よし、動くか)
しばらく思考した後、このままよりも自分から戦いを動かした方がいいと判断した俺は、どう向こうが動いても対応できるようにしていた魔力を、攻めの形へと移動させる。
「フッ」
軽く息を吸い込み腹筋に力を入れ地面を蹴る。それに長髪の男は素早く反応したが、彼が捉えるよりも早くこちらが懐へと入り込む。
「!!」
自分が反応できなかったからか、目を大きく見開いて驚愕している男。俺はそいつの目の前にある腹部へと全力の拳を叩き込む。
「永久凍土」
手応えがあった瞬間、爆音とともにそこを中心に大爆発が起こる。今までも強い吹雪が吹いていたが、その一瞬だけは視界が完全になくなるほど地面に積もる雪が飛び散る。
「わああああ!!」
その被害を真っ先に受けたのは俺でも相手でもなく、近くでかまくらを作っていたラウルだったが。
「レオン!!気をつけてよ!!」
「ごめんごめん」
雪に埋もれていた彼が頭だけ出して文句を言うので適当に謝罪する。今気にするべきなのは彼ではなく、拳を叩き込んだ敵がどうなっているかだ。
「なかなかのものだな」
視界が晴れて目の前を見ると、そいつは人一人分ほど後ろに押されただけで、大したダメージもなく仁王立ちしていた。
「ウッソォ!?グラシアンさんを倒した魔法だよ!?」
平然と立っている男の姿を見て雪から抜け出ようとしていた少年が驚愕の声を上げる。あんなに至近距離で受けたはずなのに、まるで効果のないように振る舞う青年には少々目を疑ったが、こいつが100年クエストが成功しない理由ならこれくらいは普通だろう。
(それにしても、丈夫すぎじゃないか?)
しかし、やっぱりここまでダメージがないのは違和感がある。普通ならあばらを何本か折るくらいの威力はあったはずなのに、痛みを感じているようには見えない。鎧でも付けていて、全てのダメージを吸収しているかのようだ。
バッ
のんきに分析をしていると、男は右手を振るう。そこから放たれたのは、常識では考えられないような巨大すぎる魔力の塊だった。
「くおっ!!」
咄嗟に左腕を頭の脇に持ってきて魔力の塊
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