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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
698部分:第百一話 赤い爪の光その四
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第百一話 赤い爪の光その四

「それが運命だったか」
「運命じゃが悲しみのある戦いじゃった」
「そうだった。だが今また巡り合えることができた」
「あの者達はわかっておらんがな」
「しかしそれでもだ」
「魂は同じじゃ。ではな」
「私もまた行く」
 シオンは前を見据えていた。
「敵はおそらくエリスだけではないが」
「他にもおるじゃろうな」
「四人だ」
 その数もわかっているのだった。
「まずは四人を倒さなくてはならない」
「油断はせぬようにな」
 童虎はこのことは釘をさしてきた。
「よいな、決してじゃ」
「わかっている、それはない」
 シオンの言葉が確かなものになっていた。これまでよりもだ。
「私もまたアテナの戦士だ」
「ふぉふぉふぉ、教皇の椅子を温めているわけではないようじゃな」
「教皇の椅子は温めるものではない」
「そこから見る為のものじゃ」
「そうだ」
 シオンは強い言葉で言った。
「その為のものだ」
「御主が教皇でよかった」
 童虎の言葉は温かいものだった。
「まことにそう思う」
「私としては御前の方が教皇に向いていると思っていたのだがな」
「いや、そうではない」
 それは違うというのである。
「教皇は御主の方が合っていた」
「私がか」
「アテナはそれを見ておられたのだ」
 だからこそ彼を教皇にしたのだというのだ。あのハーデスとのとてつもなく激しく壮絶な戦いの後でだ。彼を教皇に任じたというのである。
「だから御主じゃ」
「そうか。では、だ」
「行くな」
「私のやるべきことは既に少なくなっている」
 運命に対する言葉だった。
「しかしだ。それでもだ」
「戦うのじゃな」
「この命の限り戦う」
 そうする、それが今のシオンだった。
「御前と同じくな」
「わしはまだ嘆きの壁でやるべきことがあるな」
「わかっているか」
「あの者達と共に戦う」
 まさにそうだというのだ。
「そしてエリシオンへの道を開く」
「それがこの時代での我々の運命だ」
「人は幾度も生まれ変わるものじゃ」
 輪廻であった。彼等はその中にいるというのだ。
「そしてその中で運命を紡いでいく」
「我等はその運命の中で生き、そして死ぬ」
「そしてまた蘇り」
「聖戦を戦っていく」
「他の者達も同じじゃが」
 聖闘士ならばというのだ。
「しかしじゃ」
「我等はその中心にいる」
「わしもそなたも。そして」
「あの者達もだ」
 二人の頭の中に彼等のそれぞれの顔が思い浮かんだ。
「常に戦う者としてだ」
「そういうことじゃ。ではじゃ」
「うむ」
「行くがいい
 シオンに向けた言葉であった。
「わしは待っておる。若しくは」
「心を送るな」
「そうさせてもらう」
 そう
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