第77話 戊辰戦争 終結
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でそれをかわし、龍馬の懐に入った。
「もらった!!」
土方は勝利を確信した時、一発の銃声を聞いた。その刹那、足に強烈な痛みと同時に後方に吹っ飛ばされていた。
「だから、言ったじゃろう?時間がないきに」
にやりと笑っている龍馬の左手には拳銃が握られていた。
「坂本、卑怯な!!」
痛みを堪え、ゆっくりと土方は立ち上がり龍馬を睨んだ。
「すまんの、土方君。おんしゃとは、ここでさよならじゃ。悪く思わんでつかぁさい」
龍馬の顔からは笑みが消え、土方の左胸と眉間に一発づつ弾丸を放った。
土方はまともに銃弾を食らい、後方に吹っ飛んで絶命した。
それを確認することなく、龍馬は土方に背を向け、馬に乗り込もうとした。が、その時、強烈な殺気を感じた。
(まさか、土方が生きている?いや、確実に急所を打ち抜いた筈)
龍馬は恐る恐る後ろを振り返った。そこには、全身が黒い服で覆われた男が立っていた。
「おまん、あの時の!!」
龍馬はその男を知っていた。そう、三途の川にいた船頭だった。
龍馬は慌てて懐の拳銃を取り出し構えたが早いか、その男は刀を抜き龍馬の左肘から斬り飛ばした。
龍馬は驚愕の表情を浮かべたが、素早く虎鉄を抜いて斬ったが、それは男の編み傘をかすっただけだった。
男は無言で龍馬の眉間目がけて刀を突き刺した。それは、龍馬の頭蓋を貫き脳に達し、後頭部から切っ先が飛び出た。
「ちゃちゃちゃ、やられたぜよ・・・・・・」
龍馬は断末魔を残した。が、その時、編み傘から除く男の顔をかすかに見ることができた。
その男の左目には刀のつばのような形をしたもので覆われていた。
「お、おまん、一体、だ、だれぜよ?」
そう言い残すこと、龍馬は後ろに大の字に倒れ、砂となって消え失せていった。
龍馬を倒した男は龍馬の死を無ることなく風と共に消えて行った。
土方が死んで数日後、蝦夷政府は白旗をあげた。
自刃しようとしていた榎本は仲間の説得に応じ、薩摩の黒田と会談した。
これにて、長きにわたる戊申の戦いは終結した。
時代は、すでに明治になっていた。
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