SIDE:A
第十話
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ニックに行きましたよ。な、ヒナタ」
「う、うん。楽しかったね」
いたずらっ子が浮かべるような笑みでニヤニヤと聞いてくるミオさん。
絶対この手の会話がくるとにらんでいた俺は落ち着いて対処した。
ヒナタは一週間ほど前のデートを思い出し顔を赤らめて嬉しそうに微笑む。
それを聞いたミオさんは「またまた〜」と軽く聴き流した。
「ハルトくんったらとぼけちゃって。お義母さん騙されないぞ♪」
パチンと片目を瞑って見せる三十「ハルトくん?」――妙齢の女性。
淑やかで柔らかい物腰のミオさんだが、結構ちゃめ気もあり、よくヒナタとの仲をネタにこうしてからかってくるのだ。
「手は流石に繋いでるわよね。じゃあキスは? ちゅーはまだかしら?」
「ち、ちゅ……っ!?」
顔を真っ赤にしたヒナタは脳が茹蛸になるのではないかと心配になるくらい頭から蒸気を出した。ここが漫画の世界だからか、人って本当に頭から蒸気が出るんだ……。
初心にもほどがある反応を見せる姉を見て、ハナビが眉を顰めた。
「もう、しっかりしてください姉上。奥手なのが悪いとは申しませんが、そんな様子ではハルトさんを他所の女に取られてしまいますよ?」
「ええっ!? そ、そうなの?」
妹の諫言にバッと顔を振り向かせるヒナタ。
そんな姉にため息をついたハナビは幼子を諭すかのように静かな口調で言った。
「いいですか姉上、よーく考えてみてください。容姿端麗で質実剛健。四代目火影様のご子息でありながら鼻にかけることなく気さくに声を掛けてくださいますし、面倒見も良い。しかも、あの九尾の狐を撃退し、支配下に置いたという類を見ない実績を持つんですよ。容姿、性格、実力、家柄、そのどれもが良いなんて人そうそういません。ハルトさんはこれから先、正直かなりモテると思います。あまり良い例えではありませんが、こんな優良物件を放っておく女の子はいませんよ普通」
一つ一つ指を折りながら、俺について解説してくれるミオ。あの、本人ここにいるんですけど。聞いてるこっちとしては結構恥ずかしいな。
ヒナタは話を聞いているうちに段々不安になってきたのか、最後のほうではすでに涙目になってしまっていた。
潤んだ目をこちらに向けてくるヒナタ。言外に他所の女の子のところにいかないよね、と訴えてきているかのようだった。
困った顔で頬を掻いた俺はしっかりと頷いてやった。
「まあ、俺がモテるかどうかは判らないけど、少なくとも俺自身はヒナタ以外の娘と付き合うつもりはないよ」
「は、ハルトくん……!」
ぱぁっと顔を輝かせ、次いで恥
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